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【水の研究】料理に最適な水とは?ミネラルウォーターの味比べをします!

ミネラルウォーター -料理理論の研究



料理をするうえでかかせない水。

ひとえに水といえど、硬度は?pHは?何処で採れたの?等々、世間にはありとあらゆる水があふれています。

そんな膨大な数の中から、どれを料理に使えばいいのか、料理に最適な水を探すべく、水と向き合っていきます。

河野裕輔
河野裕輔

始めますっ!



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水の基礎知識

水は、世間ではミネラルウォーターという言葉が定着しています。
そもそも、ミネラルウォータの定義とは何なのかが気になりましたので、Wikipediaで調べてみました。

河野裕輔
河野裕輔

ウィキってみた!



ミネラルウォーターとは?

ミネラルウォータとは、
容器入りの飲料水のうち、地下水を原水とするものです。

さらに、ミネラルウォータは、
ナチュラルウォーターナチュラルミネラルウォーター、ミネラルウォーターボトルドウォーターに区分しています。

ナチュラルウォーターとは、
特定の水源から採水された地下水を原水とし、沈殿、濾過、加熱殺菌以外の物理的、科学的処理を行わないもの。

ナチュラルミネラルウォーターとは、
ナチュラルウォーターのうち、鉱化された地下水(地表から浸透し、地下を移動中又は地下に滞留中に地層中の無機塩類が溶解した地下水(天然の二酸化炭素が溶解し、発泡性を有する地下水を含む)をいう)を原水としたもの。

ミネラルウォーターとは、
ナチュラルミネラルウォーターを原水とし、品質を安定させる目的等の為に、ミネラル調整、曝気、複数の水源から採水したナチュラルミネラルウォーターの混合等が行われているもの。

ボトルドウォーターとは、
ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター及びミネラルウォーター以外のもので、蒸留水や水道水等の飲用水を容器に詰めたもの。

https://ja.wikipedia.org/wiki/ミネラルウォーター



しかし、世間一般にはミネラルウォーターの言葉は定着していますが、
ボトルドウォーター等の言葉は、あまり定着していません。

海洋深層水等、厳密にはミネラルウォーターでなくボトルドウォーターになりますが、
世間一般には、全てミネラルウォーターと言っているように思います。



そんな言葉の定義もありますが、その他に、水を比べるにあたって指標となるものがあります。
それは、硬度pH値栄養成分、それに加え原水の種類と、加熱処理か、非加熱処理かの違いです。
次に、これらはどういうものなのかを調べてみました。

河野裕輔
河野裕輔

ググってみた!



水の硬度とは?

水の硬度とは、
水に含まれるミネラル類のうち、カルシウムとマグネシウムの合計含有量の指標です。

硬度を表す方法は国により異なり、日本やアメリカではカルシウムとマグネシウムの量を炭酸カルシウム量(CaCO3)に換算したものを硬度としており、mg/L又はppmで表記されます。

硬度(mg/L)=カルシウム量(mg/L)×2.5+マグネシウム量(mg/L)×4.1

そして、この硬度によって硬水軟水に分類されます。
この分類も国ごとに違いがあります。
ここでは、WHO(世界保健機構)の水質ガイドラインにおける分類を紹介します。

軟水 0~60mg/L未満
中程度の硬水 60~120mg/L未満
硬水 120~180mg/L未満
非常な硬水 180mg/L以上





水のpH値とは?

水のpH(ピーエイチ、ピーエッチ、ペーハー)値とは、
水の液性(酸性、アルカリ性の程度)を表す物理量で、水素イオンの活量により定義されます。

pHは一般的に数値が1から14であり、この範囲以外ではあまり使われません。
pH値が7より小さいとき酸性を示し、7より大きいときアルカリ性を示します。

厚生労働省が定める水道法の水質基準では、pH5.8~8.6と規定されていますが、
これは、人体に対する影響に関するものではなく、浄水処理の方法や設備等の腐食という観点から設定されています。





水の栄養成分による違いとは?

純粋な水とは違い、ミネラルウォーター等には、地層中の無機塩類が溶けだしたもの、ミネラルが含まれています。

その栄養成分は、水の味にどのような影響を与えるのかをみていきます。

水の栄養成分が水の味に及ぼす影響

タンパク質、脂質、炭水化物
天然水にはいずれも含まれない。

カルシウム
苦味と塩味の混ざったほのかなえぐ味が特徴。含有量が多いと硬水ならではの重さを感じさせるが、適量であれば水の甘さを感じさせる。渋味の成分と結びつきやすく、渋味や苦味のある食材と合わせるとまろやかな味に仕上がる。

マグネシウム
強い苦味が特徴だが、少量ならば甘味となって表れる。硬水の味はマグネシウムによるところが大きく、多く含まれる水はしっかりとした飲みごたえがし感じられる。目安としては50~150mg/ℓで苦味が表れやすい。

ナトリウム
強い塩味が特徴だが、水の場合50mg/ℓ以上入ってないと塩味としては感じない。ヨーロッパの軟水にはナトリウムが比較的多く含まれているものもあるが、逆に甘味を引き立て後味にやわらかな甘さがふわりとやってくる。

カリウム
酸味が特徴だが、多いと塩味や苦味となる。ただし、カリウムが多く含まれる自然の水は少ない。にがりの成分でもあるため海洋深層水には含まれることが多い。

サルフェート
硬水に多く含まれる。硫酸塩という硫黄に近い成分で、日本では温泉水に多く含まれている。マグネシウム同様、苦味として味に影響がある。むくみや二日酔いを緩和する働きがあり、デトックス効果を期待して飲まれることも多い。





水の原水の種類の違いとは?

水の原水の種類の違いとは、
ミネラルウォーターの原材料のところを見てみると、
浅井戸水深井戸水湧水鉱泉水温泉水伏流水鉱水のうちどれかが書かれています。

これらは、農林水産省が定めるミネラルウォーター類の品質表示ガイドラインに規定されています。

浅井戸水とは、
浅井戸からポンプ等により取水した地下水。

深井戸水とは、
深井戸からポンプ等により取水した地下水。

湧水とは、
不圧(自由圧)地下水、被圧地下水の区分によることなく、自噴している地下水。

鉱泉水とは、
自噴する地下水のうち水温が25℃未満の地下水であり、かつ、溶存鉱物質等により特徴付けられる地下水。

温泉水とは、
自噴する地下水のうち水温が25℃以上の地下水、又は、温泉法第2条に規定される溶存鉱物質等により特徴付けられる地下水のうち飲用適のもの。

伏流水とは、
上下を不透水層にはさまれた透水層が河川と交わるとき透水層内に生じる流水。

鉱水とは、
ポンプ等により取水した地下水のうち溶存鉱物質等により特徴付けられる地下水。





水の加熱処理か非加熱処理かの違いとは?

日本で販売されている飲料水は、殺菌等の目的で加熱処理されたものもあれば、加熱処理されていないものもあります。

加熱処理されていないものは危ないのかといえば、そうではなく、厚生労働省が定める食品別の規格基準、清涼飲料水の規格基準に適合されたものが販売されています。

非加熱処理をうたっているミネラルウォーターの商品のサイトをみてみると、採水地の地層が天然のフィルターの役割を果たし、地表に存在しうる汚染物質が地下に滞留している地下水にまで届かないようです。
さらに、清潔な工場でミクロフィルターに通す事により品質を保っているようです。
非加熱処理のメリットとして、原水のミネラルや溶存酸素をそのままに保つ事をあげています。
しかし、非加熱処理のデメリットとして、やはり加熱処理のものに比べ菌が繁殖しやすい事があげられます。



という事で、これらの違いが
水の味にどのように関わるのか?
料理にどのような違いをみせるのか?
料理に最適な水とは?
これらを探るべく、さっそく本題に入りたいと思います。

河野裕輔
河野裕輔

ここからが本番っ!



水の選び方の理論

さっそく本題に入ろうとしたところ、
早々と壁にぶつかってしまいました。

河野裕輔
河野裕輔

いきなりっ!

まずはと、様々なミネラルウォーターの商品サイトを見ていたのですが、
硬度が低い軟水は出汁が出やすいとか、
弱アルカリ性の水は体に吸収されやすいとか、
色々なメリットを示しているのですが、根拠があまりないように思えました。

河野裕輔
河野裕輔

科学的根拠をみせてくれぃ!

その書き方も「〇〇と言われています。」と、あまり明確にはしていません。

河野裕輔
河野裕輔

はっきりしてよぉ~!

なので、これらの、水の硬度やpHの違いによるメリットの根拠を、自分なりに調べてみたいと思います。



水の違いによる料理への影響についての論文の抜粋

とりあえず、「水」、「硬度」、「pH」、「だし」等のキーワードを絡ませて、ネットで調べてみたところ、
過去の記事で、野菜と果物の低温調理を学んでいたときと同様に、
J-STAGEという様々な学術論文を読むことのできるサイトにたどり着きました。

水の硬度やpHや成分の違いによる料理への影響を述べている論文を抜粋してまとめていきます。

河野裕輔
河野裕輔

めちゃくちゃ長くなっちゃったので、次の論文のまとめまで読み飛ばしていいよ!



水の違いによるだしへの影響を総合的に述べている論文

硬度の異なるミネラルウオーターで調製しただしのミネラル含有量と食味について
J-STAGE

硬度の異なるミネラルウオーター 、蒸留水0mg/l、軟水28mg/l、硬水303mg/l、高硬水1427mg/lを使用して、
かつおと昆布だし、煮干しと昆布だし、コンソメ、鶏だしを調製し、
pH測定、ミネラル含有量、遊離アミノ酸含有量、色調測定、官能評価等の検討をした。

①ミネラル含有量、pH

(1)かつおと昆布だし
・pHは、どの試料水よりも低くなった。これはかつおに乳酸が多く含まれている事が主な原因と考えられ、硬度の違いによる乳酸の溶出量には差が無いという報告がある。
・ナトリウム、銅、鉄の含有量と増加量は、試料水間に有意差は認められなかった。
・カルシウム含有量は、硬度の高い試料水ほど多く含まれた。増加量は、蒸留水、軟水が多く、硬水、高硬水は試料水より減少した。
だし材料から溶出したカルシウムの一部は昆布から溶出したアルギン酸等の多糖類と結合して濾過時にアクとして除去されることが原因のひとつと考えられる。
・マグネシウム含有量は、硬度が高いほど多い傾向があった。増加量は、硬度との相関は認められなかった。
・リンは、硬度の低い水ほど含有量が多い傾向にあり、高硬水の含有量が他の水に比べ有意に少なかった。 硬度が高い水ではリンが溶出しにくくなる事が考えられる。

(2)煮干しと昆布だし
・硬度の高い水ほどpHは高くなる傾向があった。
・ナトリウム、カリウム、銅、鉄の含有量、増加量は、試料水間に有意差は認められなかった。
・カルシウム含有量は、硬度の高い試料水ほど多く含まれた。増加量は、蒸留水、軟水は微増し、硬水、高硬水は試料水より減少した。
これは、かつおと昆布だしと同様にカルシウムの一部が昆布の多糖類と結合し、アクとして除去された為と考えられる。
・マグネシウム含有量は、硬度が高いほど多い傾向があった。増加量は、硬度との相関は認められなかった。
・リンは、硬度の低い水ほど含有量が多い傾向にあり、高硬水の含有量が他の水に比べ有意に少なかった。硬度が高い水ではリンが溶出しにくくなる事が考えられる。

(3)コンソメ
・pHは、どの試料水よりもやや低くなった。硬度の違いによる差は認められなかった。
・ナトリウム含有量は、どの試料水よりも増加した。硬度の違いによる差は認められなかった。
・カルシウム含有量は、硬度の高い試料水ほど多く含まれた。増加量は、蒸留水、軟水は微増し、硬水、高硬水は試料水より減少した。
これは、加熱により牛ひき肉の水溶性タンパク質と試料水中のカルシウムが結合しアク成分となり濾過時に除去された為と推察される。
・マグネシウム含有量は、硬度が高いほど多い傾向があった。増加量は、硬度との相関は認められなかった。
・リンは、硬度の低い水ほど含有量が多い傾向にあり、高硬水の含有量が他の水に比べ有意に少なかった。硬度が高い水ではリンが溶出しにくくなる事が考えられる。

(4)鶏だし
・ナトリウム、カリウム含有量は、どの試料水よりも増加した。硬度の違いによる差は認められなかった。
・カルシウム含有量は、硬度の高い試料水ほど多く含まれた。増加量は、蒸留水、軟水は微増し、硬水、高硬水は試料水より減少した。
これは、加熱により鶏もも肉から溶出したタンパク質とカルシウムが結合しアク成分となり濾過時に除去される事が一因と考えられる。
・マグネシウム含有量は、硬度が高いほど多い傾向があった。増加量は、硬度との相関は認められなかった。
・リンは、硬度の低い水ほど含有量が多い傾向にあり、高硬水の含有量が他の水に比べ有意に少なかった。硬度が高い水ではリンが溶出しにくくなる事が考えられる。

②アミノ酸含有量

(1)かつおと昆布だし
・かつおと昆布だしには、ヒスチジン、グルタミン酸、タウリン、アスパラギン酸、アラニンが多く含まれていた。
・アミノ酸含有量と試料水の硬度の間に相関が認められなかった。

(2)煮干しと昆布だし
・煮干しと昆布だしには、グルタミン酸、ヒスチジン、タウリン、アスパラギン酸、アラニンが多く含まれていた。
・アミノ酸含有量と試料水の硬度の間に相関が認められなかった。
・煮干しと昆布だしに硬水 (硬度 318.7) を用いた場合、加熱前の煮干し浸漬時間を15分以上行えば軟水を用いただしとの間に溶出量の差は認められないと報告されている。
・硬度1,400 mg/l程度の高硬水においては、煮干しと昆布を30分浸水後加熱した場合、蒸留水、軟水、硬水間とのアミノ酸含有量に有意な差は認められないことが確認できた。

(3)コンソメ
・コンソメには、タウリン、アラニン、グルタミン酸、リジン、ロイシンが多く含まれていた。
・アミノ酸含有量は、硬水、高硬水が蒸留水、軟水に比べて多い傾向にあった。
・アミノ酸総量は、高硬水が有意に多く含まれていた。

(4)鶏だし
・鶏だしには、タウリン、グルタミン酸、アラニン、グリシン、リジンが多く含まれていた。
・アミノ酸含有量は、硬水、高硬水が蒸留水、軟水に比べて多く含まれたが、水の硬度間に有意な差は認められなかった。

③だしの色調

(1)かつおと昆布だし
昆布には、多糖類であるアルギン酸が多く含まれ、だし調製時に溶出しカルシウムと結合してアクになるが、アクとして除去されなかったものが濁りになり、濁りの弱いだしは透過色の値が高くなると考えられる。
かつおと昆布だしでは、硬水の透明色の値が最も高く、赤色、黄色の値が低く他の3種と異なった色調を示した。蒸留水は透明色の値が最も低く、赤色、黄色の値が強い仕上がりであった。

(2)煮干しと昆布だし
煮干しと昆布だしでは、蒸留水、軟水の透明色の値は硬水、 高硬水に比べ有意に高く、硬度が低い試料水の明度が高かった。赤色の値は、蒸留水、軟水が硬水に比べ有意に低かった。

(3)コンソメ
コンソメでは、牛肉の水溶性たんぱく質及び、玉ねぎ、人参、セロリの細胞壁内のペクチンがカルシウムと結合、凝固する為に硬水、高硬水は明度が高くなると考えられる。

(4)鶏だし
鶏だしでは、透明色の値は高硬水が最も高い値となったが、硬度の違いによる差は認められなかった。また赤色の値、黄色の値も各試料水間で有意な差は認められなかっ た。
鶏だしは骨付きの鶏もも肉を使用した為、コラー ゲンや脂肪が溶出分散して乳化状態となる為に濁りが生じ、 色調にばらつきがでたと推察される。

④官能評価

(1)かつおと昆布だし
嗜好の総合的な評価では、軟水と硬水では有意な差は認められなかった。しかし、高硬水は他の試料水に比べて有意に好まれなかった。
これは感覚尺度で旨味が弱く、生臭み、苦味が強い。嗜好では後味が悪いと評価された為である。
カルシウムとマグネシウムの含有量と、旨味の感覚尺度が負の相関、苦味の感覚尺度に正の相関が あり、高硬水はマグネシウムの含有量が10mg/100 mlと多い事が苦味の強さに影響していると考えられる。
高硬水で調製したかつおと昆布だしは、ミネラル摂取という点では優れているものの、食味の点で好まれなかった。硬水で調製しただしは、嗜好の総合評価で軟水と同程度に評価されており、カルシウム量は軟水で調製しただしの2.9倍であった。

(2)煮干しと昆布だし
硬水、高硬水は、濁りが強いと評価され透明色の値の測定結果と一致した。
嗜好の総合評価において軟水と硬水の間には有意差は認められず両者とも好まれた.。
高硬水で調製しただしは、旨味が弱く、苦味、後味が強いと評 価され、総合的な評価が低かった。
これは、旨味、苦味の感覚尺度が、マグネシウムとカルシウムの含有量と相関が高い事が一因と考えられる。

(3)コンソメ
硬水は濁りが弱く色が薄いと評価され、外観は蒸留水、軟水に比べ有意に好まれた。
味の評価では、硬水で抽出したものは肉の臭みが弱く、旨味、甘味が強くまろやかであり総合評価が最も高かった。
高硬水で抽出されたものは、外観では好まれているが、肉の臭みが強く、旨味、まろやかさ、甘味が弱いと評価され総合評価が低かった。
高硬水は硬水に比べ不味成分のマグネシウム、苦味系のアミノ酸であるメチオニン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニンの含有量が若干多く、味のバランスに影響して評価が低くなった事が推察される。
高硬水で調製した野菜スープは、カルシウムとペクチンが結合し凝固する為、煮汁に野菜の旨味がでにくい事が味の評価が低い一因と考えられる。
軟水では濁りと肉の臭みが強いことが影響し、硬水に比べ評価が低かった。
牛ひき肉の水溶性たんぱく質は加熱中に試料水中のカルシウムと結合しアク成分として除去されるが、カルシウムが少ない軟水では、だし中に残存してしまい肉の臭みが残りやすく、蒸留水においては、カルシウムが0である為にそれがさらに顕著であったと考えられる。

(4)鶏だし
外観では高硬水と硬水は色が濃く、濁りが強いと評価され軟水に比べ外観の嗜好評価が低かった。
しかし、味の総合評価では軟水と蒸留水間以外は有意差が認められなかった。
鶏だしでは、鶏皮よりコラーゲンや脂肪が溶出し乳化状態で分散している為、旨味、まろやかさ、甘味に、試料水そのものの味の影響を受けにくく、かつおと昆布だし、煮干しと昆布だし、コンソメで総合評価が低かった高硬水でも、軟水、硬水と同等の評価が得られたといえる。
鶏だしでは高硬水の使用によってカルシウム含有量が軟水の12倍、硬水の8.4倍摂取でき、食味の点でも良好であった。



前述の論文も引用している、水の違いによるだしの溶出成分への影響を述べている論文

水の硬度が煮出し汁の嗜好性と溶出成分に及ぼす影響
J-STAGE

硬度の異なる3種の水、南アルプスの天然水、エビアン、コントレックスを用いて、
かつお節だし、野菜スープ、牛肉のスープストックを調製し、
総窒素、遊離アミノ酸、イノシン酸、グアニル酸、有機酸の分析および官能評価をした。

・かつお節だしでは、用いた水の種類によって、遊離アミノ酸のパターンが異なっていた。官能評価では、総合的な好ましさに有意の差は無かったが、エビアンと南アルプスの天然水が好まれる傾向にあった。
・野菜スープでは、南アルプスの天然水に殆どの遊離アミノ酸が多く、次いでエビアンに多かった。官能評価ではこの両者が有意に好まれた。
・牛肉スープストックでは、コントレックスがアクを最も多く分離してスープは清澄であった。遊離アミノ酸合計量はエビアンに最も多く、ついでコントレックスであった。エビアンはイノシン酸、グアニル酸も有意に多かった。官能評価で最も好まれたのはエビアンであった。



前述の論文も引用している、水の違いによる昆布だしへの影響を述べている論文

ミネラルウォーター類の使用が昆布だし汁に及ぼす影響
J-STAGE

硬度の異なる数種のミネラルウォーターを用いて昆布だし汁を調製し,、そのミネラル成分とうま味成分の含有量を検討した。

・だし抽出時における昆布への水分吸収は、硬水は軟水より低い傾向であった。
・ミネラルウォーターのpHは弱アルカリ性から中性であったが、昆布だし汁は弱酸性になった。
・昆布だし汁のミネラル含有量は、Naは抽出1時間から6時間にピークに達し、その後は平衡か若干減少する傾向にあった。K含有量は、抽出1時間で急激に上昇し、その後は微増傾向あるいはピークに達した後、減少傾向であった。Ca含有量は、軟水の昆布だし汁では増加はわずかであった。また、抽出時間が長くなってもその増加はほとんど認められなかった。一方、硬水ではだし抽出1時間後には減少し、その後は平衡であった。すなわち、もともとミネラルウォーター中に含まれていたCaが昆布に吸着したと考えられた。Mgも一度溶出され、その後再吸着されたといえる。
・昆布だし汁のグルタミン酸ナトリウムの含有量は抽出時間が長くなると増加する傾向であった。しかし、これらの増加傾向に軟水、硬水の違いは認められなかった。
・Caと結合し架橋を形成したアルギン酸は粘性を有するので昆布だし汁に硬度の高い水を用いると粘性を帯びる可能性が示唆された。



水の違いによる米飯への影響を述べている論文

炊飯溶液中のカルシウムとナトリウムが飯の性状に及ぼす影響(第2報)家庭用軟水装置で処理した水の影響
J-STAGE

家庭用軟水装置で処理した水が飯の性状に及ぼす影響を明らかにする事を目的とし、
水道水、イオン交換水、Ca添加水を用いて炊飯した飯の性状と食味を比較した。

・水道水を軟水装置で処理したイオン交換水を用いる事で、吸水が促進され、体積増加率が高くなり、ふっくらとした軟らかい飯になる事がわかった。 官能検査においても、水道水飯に比べてイオン交換水飯の方が有意に軟らかいと評価され、イオン交換水が飯の硬さに及ぼす影響は官能的にも明らかであった。陽イオン交換樹脂による軟水処理では、カルシウムが除去されるとともに樹脂からナトリウムが放出される為、イオン交換水のカルシウム濃度は2.5mg/Lで水道水の約6分の1、ナトリウム濃度は36.2mg/Lで水道水の約2.3 倍となっている。よってイオン交換水飯が水道水飯に比べてふっくらと軟らかい飯になった要因として、イオン交換水が水道水に比べてカルシウム濃度が低い事、ならびにナトリウム濃度が高い事の二つが考えられる。
・ナトリウムが飯の性状に及ぼす影響については、炊き水への食塩添加によって飯が硬くなるとの報告がある。ナトリウムがデンプンの糊化を促進することによって飯表面に水を通しにくい糊化層が形成され,飯内部への吸水が 阻害される為であると考えられた。しかし、イオン交換水飯は水道水飯より水分が多く、軟らかい飯であり、イオン交換水が飯に及ぼす影響は食塩添加の影響とは逆であった。食塩添加が飯の性状に及ぼす影響については、味付け飯の食塩添加量である食塩濃度1%程度(ナトリウム 濃度3.9g/L程度)で検討されており、イオン交換水のような低いナトリウム濃度では、吸水を阻害するほどの影響はなかったと考えられる。
・カルシウムが飯の性状に及ぼす影響については、 既報において、炊き水中のカルシウムは吸水や膨潤を抑制し、飯を硬くする事を明らかにしている。本実験におけるCa添加水飯も水道水飯に比べて水分が少なく、膨潤が抑制さ、硬い飯であった。これらの事から、水道水飯に比べてイオン交換水飯がよりふっくらと軟らかい飯になった原因は、水道水に含まれるカルシウムを軟水装置で除去した為であると考えられた。水道水中のカルシウム濃度は15.7mg/Lであり、既報で検討したカルシウム濃度50mM(2000mg/L)や1.35mM(54mg/L)に比べ低かったが、このような低濃度のカルシウムも飯の性状に影響を及ぼしている事が示唆された。
Fuchigamiらは大根の加熱軟化に及ぼす陽イオンの影響を比較し、カルシウムイオンは軟化を抑制する作用が大きい事を明らかにしている。その原因として,カルシウムイオンがペクチンと結合する事により,ペクチンの可溶化が抑制される為であると考察している。炊飯においてもカルシウムによってペクチンが不溶化し、飯の性状に影響を及ぼしている可能性があると考え、飯に含まれる 水溶性ペクチンと不溶性ペクチンの割合を比較した。その結果、Ca添加水飯の不溶性ペクチンの割合は水道水飯に比べて有意に高く、炊き水中のカルシウムが米のペクチンと結合して不溶性ペクチンを形成している事が示された。また,既報においてカルシウムを含む溶液で炊飯した飯の組織形態の観察から、カルシウムは飯粒表層部の胚乳細胞壁に多く存在しペクチンの分布と一致する事を明らかにしている。よって、炊き水中のカルシウムは飯の表層部においてペクチンと結合して不溶性ペクチンを形成し、飯内部への吸水を抑制していると考えられた。水道水飯とイオン交換水飯の不溶性ペクチンの割合に有意差は認められなかったが、水道水飯における不溶性ペクチンの割合47.5%に対してイオン交換水飯の41.9%の方が低かった。軟水装置によってカルシウムを除いたイオン交換水を用いる事で、形成される不溶性ペクチンは少なくなり、水道水飯に比べて吸水や膨潤が促進される要因になったと考えられる。
・飯の糊化度の測定結果においては、不溶性ペクチンの割合が高いほど糊化度が低くなる傾向が認められた。飯の表層部における不溶性ペクチンの形成により内部への吸水が抑制された為に、飯内部のデンプンが糊化されにくかった事が考えられる。しかし、水道水飯とイオン交換水飯の糊化度に有意差は認められず、炊き水の軟水処理が飯の糊化度に及ぼす影響は有意ではなかった。飯の表面構造を走査電子顕微鏡で観察した結果、水道水飯とCa添加水飯の表面には未糊化のデンプン粒子が観察されたが、イオン交換水飯の表面には観察されなかっ た。精白割合90%に精米した米の表面では、胚乳部のデンプン細胞壁は破壊され、デンプンが露出している。このような飯の表面において糊化の状態に差がみられた事は、カルシウムが細胞壁のペクチンを不溶化し吸水を抑制する事では説明されず、カルシウムがデンプンに直接作用した可能性が考えられた。しかし、森高らはうるち米のデンプン粉末を用いてカルシウムがデ ンプンの糊化に及ぼす影響を検討し、デンプン粉末に炭酸カルシウム、水酸化カルシウムのいずれを添加しても、加熱によってデンプンの結晶構造は無添加の場合と同様に消失する事を明らかにしている。この結果をふまえると、カルシウムが飯表面のデンプンに直接作用して糊化を抑制したとは考えにくい。一方、平島らは、食塩がコーンスターチ糊の性状に及ぼす影響を検討し、食塩濃度1~5%ではナトリウムイ オンがデンプン粒子内へ侵入し、デンプン粒子の膨潤を促進する事を示唆している。イオン交換水に含まれるナトリウムは、吸水を阻害するほどではないが、飯表面におけ るデンプンの糊化を促進している可能性があると考えられた。



水の違いによる抹茶への影響を述べている論文

水の硬度が抹茶の起泡性に及ぼす影響
J-STAGE

水の硬度が抹茶の成分溶出および起泡性に及ぼす影響を調べる為、市販のミネラルウオーター15種 と水道水、蒸留水を用いて実験した。

・水の硬度が高いほど、タンニン、可溶分の溶出は少なくなる傾向はみられるが成分の溶出に及ぼす水の硬度には一定の限界があるものと推察される。
・水の硬度が高いほど、泡は立ちにくいが安定度は高い傾向が見られた。



水の違いによる紅茶への影響を述べている論文

紅茶水色に対する金属塩類および水の硬度の影響
J-STAGE

紅茶に適した水、特に美しい水色を呈する水質について検討した。

・ナトリウムイオンやカリウムイオンは20ppm程度の濃度では紅茶水色に影響を与えなかった、マ グネシウムイオン、マンガンイオンでは赤み、黄色み彩度を増し、紅茶水色への影響は両者を混合 した方がより大きくなった。
・カルシウムイオンは60ppm以上の濃度では著しい白濁を生じ、明度、彩度を低下させ水色を損なった。
・アルミニウムイオンは、紅茶水色の赤みを増し、美しい真紅色を示したが、赤色沈殿を生じた。
・カルシウム硬度70度~80度、カルシウムイオン濃度として30PPm程度の水で紅茶水色の赤みが最高となった。
・マグネシウムは、マグネシウム硬度400度マグネシウムイオン濃度として97ppm以上の高濃度にならないと、紅茶水色への影響は現われない為、日常的にはマグネシウムが紅茶水色に影響を与え る事はないと思われる。
・官能検査の結果、紅茶水色の評傭は赤みの強さだけでなく、赤みと黄色みのバ ランス、明度、彩 度、透明感等の因子が相互に関わり合っている事が明らかとな った。
・美しい紅茶水色を得るには、硬度75度以下、カルシウムイオン濃度25ppm以 下の中等度の軟水または、更に硬度の低い軟水が水質として好まれた。特にニルギリのような明るいオレンジ色の水色を特長とする品種では、より硬度の低い水質が適していると考えられた。



水の違いによる緑茶への影響を他の論文とは異なる事を述べている論文

茶の呈味におよぼす水質(特にCa)の影響と味認識装置による評価
J-STAGE

緑茶を浸出する際の水の種類を変える事により、緑茶浸出液の呈味の比較をした。

・一般に硬水は緑茶の浸出には不適切であるとされていたが、硬度の高いevian水を用いて緑茶を浸出したところ、味覚センサーによるうま味強度が最も強い事が示された。evian水で浸出した緑茶と、次位のクリスタルガイザー水で浸出した緑茶について、三点比較法で官能評価を行ったところ、evian水で浸出した緑茶が有意に好まれるとの評価であった。
また、CaCl2を用いて硬度を調節した場合には、うま味強度に対する正の効果は認められなかったが、CaCO3と組み合わせて用いることにより、CaCO3の濃度依存的にうま味強度が強まった。人工硬水を用いて緑茶を浸出し、味覚センサーと官能評価において測定したところ、evian水と同程度のうま味強度を持つ緑茶を浸出することが可能であった。



水の違いによる日本酒への影響を述べている論文

日本酒の味わいと地質の関係の一考察
J-STAGE

日本酒の味わいと仕込み水の水質および地質の関係について考察した。

・仕込み水の硬度と酒の味覚との関係では、一般に硬水は酸が強めで辛口な味わい、軟水は軽やかでやわらかくほのかな甘みを感じる傾向があるといわれているが、今回、不明瞭ではあるが同様の傾向がみられた。



水の違いによる肉や野菜の水煮への影響を述べている論文

水の硬度が牛肉,鶏肉およびじゃがいもの水煮に及ぼす影響
J-STAGE

牛肉、鶏肉、じゃがいもを硬度の異なる水で水煮して、煮汁のミネラル成分含有量、破断強度測定、組織構造の観察、官能評価をした。

・硬水で牛肉、鶏肉、じゃがいもを水煮したところ、水中のCa、Mgがこれらに吸着した。KとNaは、軟水より硬水で多く溶出した。破断強度値は、牛肉ではエビアンを用いて120分水煮したものが有意に小さく、じゃがいもは硬水ほど大きくなった。エビアンで水煮した牛肉は、筋内膜および筋周膜と、筋線維束の分離が顕著であった。じゃがいもは、硬水で水煮するとでん粉の糊化が抑制され、細胞同士が凝集した組織構造になった。エビアンで水煮すると、肉はやわらかくなり、じゃがいもは軟水より硬くなった事から煮崩れが防げると推測でき、肉や野菜も食する煮込み料理には、ある程度(硬度300程度)の硬度の水が適することが示された。



水の違いによるだし汁の濁りへの影響を述べている論文

だし調製条件によるだし汁の濁りの生成とその抑制
J-STAGE

節によるだしの濁りを抑制する目的で、だしの抽出条件、抽出方法および抽出水のpHがだしの濁りに及ぼす影響について検討した。

・だしの濁りについては、その主たる原因成分は節中の脂質、とくに中性脂質やリン脂質である事を明らかにした報告がある。
・だしの抽出液のpHとだしの濁りとの関係は、水抽出液pHを境に、クエン酸ナトリウムでアルカリ側にシフトさせると濁りおよび脂質含量は著しく増加した、クエン酸で酸性側にシフトさせるとたんぱく質(ミオシン)の等電点付近(pH5.4付近)までは濁りおよび脂質含量は低下し、さらにpHが低下すると両者ともに増加した、アミノ態窒素含量はpHの変化による変化はほとんど認められなかったが、全窒素含量はpHが等電点以下になると著しく増加した。以上の結果、有機酸でだしのpHをタンパク質の等電点付近まで低下させる事はだしの濁りを抑制する有効な方法であった。
・節において、筋原繊維タンパク質は等電点において最も膨潤度が小さく、節中の脂肪球は節組織表面以外からは遊離しにくい。酸あるいはアルカリ性側にシフトさせると、筋原繊維タンパク質の水和、膨潤の程度が大きくなり、組織構造が緩やかになる事から、組織内部に存在する脂肪球が遊離しやすくなるものと推察された。



水の違いによる天ぷら衣への影響を述べている論文

天ぷら衣調製時に使用する水の硬度が衣の食感に及ぼす影響
J-STAGE

天ぷら衣の調製に軟水と硬水を用いて衣を揚げ、官能評価および衣の破断強度を測定し、食感に及ぼす影響について検討した。

・官能評価の結果、硬水を使用すると放置時間0分、15分共に食感、味、総合評価の評点が軟水を用いた時よりも有意に高く、サクサクした衣に仕上がる事が明らかとなった。順位法より4種類の試料は硬水0分、硬水15分、軟水0分、軟水15分の順で有意に好まれた。また、総合評価とにおい、食感、味の間の評価に正の相関がみられた。破断強度を測定すると、硬水で調整した衣は、軟水よりも破断応力、破断歪率とも低い値を示し、もろく軽い食感であることを示した。従って、衣調製時に硬水を用いると、食感や味が良い衣に仕上がると考えられた。



「弱アリカリ性の水は、体内への水分吸収性が良い」は根拠がない事を述べているサイト

https://ikinarilarc.com/2013/08/24/phと硬度は本当はどれがいい%EF%BC%9Fミネラルウォーター/

・弱アルカリ性のミネラルウォーターも弱酸性のミネラルウォーターも、結局は人体の消化液等の分泌液でpHが変動して小腸に届き、それから吸収されるので、弱アルカリ性のミネラルウォーターが他のpHのミネラルウォーターに比べて体に良いという生理学的根拠はありません。 また、吸収性や疲労回復に対する効果についても説明がつきません。



水の違いによる料理への影響についての論文のまとめ

これら論文の要点を簡単にまとめました。

河野裕輔
河野裕輔

前の論文の抜粋は読まずに、ここだけ読んでもいいよ!


・一般に硬水はだしの浸出には不適切であるとされていたが、食味の点で、硬度300mg/l程の硬水ならば、だしに適しているといわれる軟水と同等の評価を得られる。

・カルシウムは、昆布から溶出するアルギン酸等の多糖類、牛肉や鶏肉から溶出するタンパク質、野菜から溶出するペクチン等と結合し、アクとなる。

・カルシウムとマグネシウムの含有量と、旨味の感覚尺度が負の相関、苦味の感覚尺度に正の相関にある。

・カルシウムと結合し架橋を形成したアルギン酸は、粘性を有するので昆布だし汁に硬度の高い水を用いると粘性を帯びる可能性が示唆される。

・米は、軟水で炊いた方が、吸水が促進され、体積増加率が高くなり、ふっくらとした軟らかい飯になる。

・抹茶、紅茶、緑茶は、軟水でいれた方が、好まれる。また、硬度300mg/l程の硬水でいれると旨味強度が最も強い報告もある。

・日本酒は、一般に硬水は酸が強めで辛口な味わい、軟水は軽やかでやわらかくほのかな甘みを感じる傾向がある。

・肉や野菜も食する煮込み料理には、硬度300mg/l程の硬水が適することが示された。

・酸性の水(pH5.4付近)では、だしの濁りを抑制した。

・天ぷら衣は、硬水を用いると、食感や味が良い衣に仕上がると考えられる。

・「弱アリカリ性の水は、体内への水分吸収性が良い」は根拠がない。



料理に最適な水とは、
その料理ごとに違うし、下準備に使う水と調理に使う水も変えればより良いものが作れそうです。
同じ料理でも、目的、狙いによっては、水を変えてもおもしろいかもしれません。



水について、特に水と料理の関係についての理論を勉強したところで、次は、実際に様々なミネラルウォーターを飲み比べてみたいと思います。

河野裕輔
河野裕輔

ゴクゴクッ!



ミネラルウォーターを飲み比べる

酒販店やアマゾンで、比較的入手しやすいミネラルウォーターを対象に、特徴的なものを選出して飲み比べてみました。

河野裕輔
河野裕輔

ずらりっ!

ミネラルウォーター

左から右の順に硬度が高くなっています。
順に説明と選出した理由を述べていきます。



白神山地の水
ナチュラルミネラルウォーター
鉱泉水
硬度0.2mg/L
pH6.6
ミネラルウォーターの中でも、特に硬度が低い。
pH6.6という弱酸性。



温泉水99
ナチュラルミネラルウォーター
温泉水
硬度1.7mg/L
pH9.9
ミネラルウォーターの中でも、比較的硬度が低い。
pH9.9という高アルカリ性。
温泉水。



日田天領水
ナチュラルミネラルウォーター
深井戸水
硬度32mg/L
pH8.3
硬度は日本のミネラルウォーターの中で平均だが、
酒販店のミネラルウォーターの中でも、比較的値段が高い。



南アルプスの天然水
ナチュラルミネラルウォーター
鉱水
硬度30mg/L
pH7.1
日本のミネラルウォーターの代表として選出。



エビアン
ナチュラルミネラルウォーター
鉱泉水
硬度304mg/L
pH7.2
海外のミネラルウォーターの代表として選出。
中硬度の硬水。



コントレックス
ナチュラルミネラルウォーター
鉱泉水
硬度1468mg/L
pH7.4
ミネラルウォーターの中でも、特に硬度が高い。



これらのミネラルウォーターを飲み比べた感想を述べていきます。

河野裕輔
河野裕輔

独断と偏見でっ!



正直、白神山地の水温泉水99日田天領水南アルプスの天然水とでは、
味に有意な差は感じられませんでした。

河野裕輔
河野裕輔

分からんもんは分からんっ!

白神山地の水温泉水99日田天領水南アルプスの天然水は、どれも軟水に分類されます。
どれも飲みやすく、すうーっと喉に引っかかる事なく、自然な喉越しでした。
味は、水道水と比べれば、塩素の薬感も感じず、爽やかさを感じました。
日本の水のほとんどが軟水である事から、日本人の私にとって、これらの水が自然な味と感じる事は、必然な事なのでしょう。

この中で特徴的である温泉水99は、
「高アルカリ性による粘度、トロトロ感がある」という声もありますが、
そのような違いは、私は特に感じず、イメージからの味覚の創造によるものと言わざるを得ません。
ただ、世の中には、スーパーテイスターと呼ばれる、平均的な味覚の持ち主より3倍程強く味を感じる人がいるのも事実ですので、その方達の意見によるものかもしれません。

そんな私でも、エビアンコントレックスに関しては明らかな違いを感じました。
エビアンコントレックスは、他のミネラルウォーターに比べ硬度が大きな違いですが、それが味にも大きな違いを生んでいるようです。
エビアンコントレックスは、日本人である私が硬水を飲みなれていないのもありますが、喉に引っかかる感じ、舌にまとわりつく感じを覚えました。
味に関しても、苦味を感じ、それはエビアンよりもコントレックスで顕著に感じました。

また、コントレックスに関しては、後味が牛乳に感じるものと同じようなものを感じました。
甘味とはいえないけど、何味と聞かれたら甘味に分類されるであろう独特な後味です。
これはカルシウムによるものではないかと聞いた事があります。



正直、私自身による官能評価で、これらミネラルウォーターの違いを求めたら、ここらが限界でしょう。
ただ、これはあくまでミネラルウォーターそのものの官能評価でしかありません。
料理に使って初めて見えてくる違いがでてくる事が、先程、水と料理の関係についての理論を勉強した事により想像できます。
これからは、料理を実践する際に、どんな水がいいか、理論に基づいて導き出し、また比較し、このブログに書いていきたいと思います。

河野裕輔
河野裕輔

水は奥深いっ!



まとめ

今回、水について、水と料理の関係についての理論を学びました。

料理に最適な水とはどれかを探すべく、学んでいきましたが、
理解を深めるにつれて、水の違いによる料理への影響は様々なものがあり、
料理の違い、はたまた、調理工程別においても、水の違いによる影響をかえりみて、
どんな水がいいか選出しなければならない事が分かりました。

かといって、水の専門分野の方でさえ、まだまだ料理への影響が全て解明されたわけではないと言っているので、これからも新しい事が解明されるかもしれません。

正直、今回の記事について、まとまったような、まとまってないような、不完全燃焼感は否めません。

水と料理の関係は一生のテーマと言っても過言ではないでしょう。



こうして、いずれ開く店への道のりが、また一歩踏み出されたのです。

河野裕輔
河野裕輔

7歩目!

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