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【フランス料理】愛知県名古屋市にある「レミニセンス」(Reminiscence)さんに行ってきました!

レミニセンス、1 -フランス料理店



2月中旬、愛知県名古屋市にあるフランス料理店「レミニセンス」(Reminiscence)さんに行ってきました。

「ミシュランガイド 愛知・岐阜・三重 2019 特別版」で、「二つ星」を獲得されています。
「ゴ・エ・ミヨ 2020」で、「3トック、15.5点」を獲得されています。
「The Tabelog Award 2020」で、「Silver」を獲得されています。

名古屋市で評判の高いフランス料理店です。

予約は一ヶ月前くらいにホームページからの操作で、スムーズに、電話する事無く出来ました。
予約当日の1週間前にお店から、確認のお電話がありました。
時間は17:00からお願いしました。
ちなみに退店は20:00過ぎでした。

メニューはお任せコースのみです。
料理とデザートで12皿前後+食後のお飲み物で16,800円。
それにワインペアリングも付けました。
スタンダード12,000円とハーフ8500円があり、私はスタンダードを選びました。
スタンダードで8種。シャンパーニュ90㎖とワイン50㎖。
ハーフで6種。シャンパーニュ90㎖とワイン50㎖。


まずは、ホームページ等により、このお店の情報やコンセプトを垣間見る事で、実際に食事する当日迄にお店の世界観にどっぷり浸かれるようにしていきました。

河野裕輔
河野裕輔

どっぷり!



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レミニセンスの基本情報

シェフは、葛原 将季(くずはら まさき)さん。
ホームぺージにあるシェフのメッセージを見てみます。

「レストラン レミニセンス」の世界感は、私が修行先に選んだ東京のカンテサンス、大阪のハジメの影響を受け、葛原将季というフィルターを通して表現しています。
私に影響を与えてくださった師は、料理を見ただけでそのシェフの顔が浮かんでくるような個性、世界感を持っています。私も、そのようなシェフになりたいと強く思っています。“余韻と記憶”というコンセプトを掲げ、皆様に素敵な時間を過ごして頂けるように準備をしています。
尚、当店ではランチ、ディナー共にお任せコースに限らせて頂いております。これは、食材のポテンシャルを最高の状態でお客様に提供する為に必要な手段ですのでご了承下さい。
皆様のご来店心よりお待ちしております。

東京のカンテサンス、大阪のハジメというと、どちらもミシュラン三つ星の名店です。

さらに、“余韻と記憶”というコンセプト。
とても気になります。
ホームページにあるお店のコンセプトを見てみます。

生きること=豊かな人生を送ること
豊かな人生とは、心地よい余韻と心に残る温かい記憶の調和が、充実していることだと思います。
余韻と記憶
食事することによって、
食材の栄養が人々の身体をつくる事と同じく、
レミニセンスで過ごして頂いた時間がお客様の余韻と記憶に残り、
素晴らしい人生に思い出という形で残ってほしい・・・
人生がより豊かになると祈って・・・

何か、シェフの優しさが伝わってくるような文章です。
激しい主張ではないけれど、いつまでも心に残るような、それでいてそれが心地よく、結果、人生が豊かになるようなお料理や空間や時間を体験できそうです。



このように、実際に食事する当日迄に、お店のコンセプトを垣間見る事で、予約日から期待に胸を膨らませて、当日迄ワクワクしながら過ごす事が出来ました。

河野裕輔
河野裕輔

ワクワク!



レミニセンスのMenu Reminiscence(お任せコース ディナー)

では、当日を振り返ります。

まずは入り口。

レミニセンス、1

建物の2階がお店になっており、外にある階段を登った所に入り口があります。

お店の中は白を基調として、上品で洗練された空間です。
それでいて意外とカジュアルで、リラックスして過ごせそうな印象を受けました。

入り口で上着を預け、席へと案内して頂きます。

テーブルセッティングです。

レミニセンス、2

メニューが置いてあります。

レミニセンス、3

メニューは料理の主な食材を記しただけで、ここからはお皿の想像は出来ず、期待に胸を膨らませます。
コースは、序章から第一章、第二章、第三章、終章という流れで、それぞれ、余韻、記憶、安堵、追憶というタイトルが付けられています。
序章は、このメニューの文章を読んで、お店のコンセプトを知って頂くという事でしょうか。
もう料理が出てくる前から、コースが始まっていると言っても過言ではありません。

こちらはパンのメニュー。

レミニセンス、4

岐阜県高山市の人気店「トランブルー」さんのパンのようです。
パンもそのストーリーを読み知る事が出来ます。
やはりこのように、想いを文章で伝えるという事は、お店の世界観を知って頂くという大切な事というのが、客の立場になると良く分かりました。
これで、お店の世界観にどっぷり浸かる準備は万全です。



まずは、ワインペアリングを付けましたので、シャンパーニュで乾杯です。

レミニセンス、5

そして、第一章~余韻~から「雲丹」です。

レミニセンス、6

アオサを練り込んだ葛粉のチップに雲丹が乗せてあり、百合根等が添えられています。
フィンガーフードで、一口で頂きます。
磯の香りがぶわっと広がり、雲丹は濃厚で甘味があり、最高なスタートです。

器がかわいらしいです。
こちら器や、下のプレート等は、佐賀県の有田焼「カマチ陶舗」さんのようです。



次にの「白子」に合わせるワイン。

レミニセンス、7

「白子」。

レミニセンス、8

白子のソテーに、下には白子のソース、上にはトリュフ、中には柚子のジャムが入っていました。
濃厚な白子にトリュフの香りと、豊潤な組み合わせの中に、食べ進めると現れる柚子ジャムの甘味と爽やかさが良い意味で味に変化を与えてきます。

続いての「牡蠣」に合わせるワイン。

レミニセンス、9

「牡蠣」。

レミニセンス、10

50℃で低温調理し、ソテーとフリットと2種類で調理された牡蠣に、濃厚な牡蠣のスープが注がれています。
これは何と言っても牡蠣の濃厚なうま味。
牡蠣のクラムチャウダーの様相で、食欲を刺激してきます。

続いての「フカヒレ」に合わせるワイン。

レミニセンス、11

ブルゴーニュのロゼワイン。
ブルゴーニュでも北のマルサネ村で作られた、ピノノワール100%のロゼワイン。

「フカヒレ」。

レミニセンス、12

鱶鰭、ジロール茸、蕪の煮込みに、酢橘が添えられています。
スープがとても美味しいです。
しっかりとしたうま味がありながらも、優しい印象を受けます。

続いての「伊勢海老」に合わせるワイン。

レミニセンス、13

「伊勢海老」。

レミニセンス、14

殻付きの伊勢海老の下には、カリフラワーのピューレと、シブレットと言う葱のオイルが重ねてあります。
上には、バニラと焦がしバターで香り付けしたパン粉とハーブ。
伊勢海老はその味噌と身を絡めて頂きます。
この伊勢海老の火入れが素晴らしかったです。
極めてレアでありながら、プリプリ感と火の通った事により引き出される海老の甘味のバランスが絶妙でした。

続いて、「天ノ岩戸」。

レミニセンス、15

この「天ノ岩戸」だけ食材の名前ではありません。
天岩戸というと、古事記や日本書紀で、太陽神である天照大御神が隠れ、世界が暗闇に包まれた岩戸隠れの伝説の舞台です。
この天岩戸と呼ばれる場所はいくつかあるのですが、その中の恵利原の水穴と呼ばれる場所が三重県志摩市にあり、その湧水、御神水を使ったスープのようです。
わざわざ汲みに行かれるそうです。
この御神水で、シンプルに昆布と名古屋コーチンで出汁を取り、塩だけで味付けしてあります。
まさに身体に染み渡ります。
このように、料理にストーリーが加わるととても奥深い味わいである印象を受けます。



こちらは、コースを通して食べられるパン「あられ」。
お代わりできます。

レミニセンス、16



次は、第二章~記憶~に入ります。
次の「鰻」に合わせるワイン。

レミニセンス、17

「鰻」。

レミニセンス、18

この「鰻」がこちらのお店のスペシャリテでしょうか。
葛原シェフは、この鰻の焼き方を習得しようと、名古屋市の名店「あつた蓬莱軒」さんで研修されたようです。
鰻の下には燻製した根セロリのピューレと実山椒。
手前には赤ワインソース、山葵、ビネガーのジュレが添えられています。
やはり鰻の焼きが秀逸です。
皮はパリパリに焼かれ、身はふっくら。
そして、燻製した根セロリのピューレが、味わいに良い個性を発揮させてくれます。



こちらは、「鰻」と次の「魚」に合わせたパン「揚げぱん」。

レミニセンス、19

揚げパンと言えど、しつこく無く、魚料理に優しくそれでいてしっかり寄り添う印象です。

続いて、お口直しの林檎のグラニテ。

レミニセンス、20

続いての「魚」に合わせるワイン。

レミニセンス、21

「魚」。

レミニセンス、22

金目鯛を鱗焼きにしてあります。
そこに、自然薯のガレット、ソースには茄子。
この自然薯のガレットがこのお料理の良い個性を発揮させています。
なかなか自然薯を合わせようという発想は思い付きません。材料的には薩摩揚げを連想させます。

続いての「肉」に合わせるワイン。

レミニセンス、23

「肉」。

レミニセンス、24

松坂牛のシンシンのローストです。
この松坂牛の火入れ、聞いてみると「遠赤外線温蔵庫」というもので低温でじっくり火を通しているのだそうです。
葛原シェフの肉料理の作り方は「専門料理 2019年7月号」に掲載されていました。
お肉に掛かっっているのはジュのソース。
手前には、西洋山葵、卵黄唐辛子、八丁味噌と黒大蒜のコンディマンが添えられています。
お肉の火入れは流石としか言いようがありません。
レアでありながら生ではなく、しっかりとお肉に肉汁を残し、口の中で咀嚼すると、その肉汁自体がソースとなって、うま味を口の中いっぱいに感じさせてくれます。
味の変化として、八丁味噌と黒大蒜のコンディマンを付ければ、その奥深いコクでさらに味覚を魅了されてしまいます。



こちらは、「肉」に合わせたパン「杏(あんず)」。

レミニセンス、25

杏の豊潤な香りと甘酸っぱさが、お肉の力強い味わいに個性を発揮しながらも、無理なく寄り添ってきます。



ここからは、第三章~安堵~です。
「密柑」。

レミニセンス、26

パッと見は蜜柑のシャーベットですが、中には蜜柑の果肉やゼリーが隠れています。
色々な食感と味わいで蜜柑を堪能できます。

続いて、「苺」。

レミニセンス、27

球状のアーモンドメレンゲに、別添えの苺のソースを掛けて頂きます。
メレンゲを崩すと、中には苺のムース等が射込まれていました。
こちらも、苺を様々な表情で楽しめます。



そして最後、終章~追憶~です。
まずは、食後の飲み物を選びます。

レミニセンス、28

コーヒーは、名古屋市の人気店「ジムランコーヒー」さんが焙煎された豆を使用。
紅茶は、宮崎県の「宮崎茶房」さんの和紅茶を使用。



私は、HOTコーヒーを選びました。

レミニセンス、29

香り高く、コクがありながらもスッキリとした味わいです。

そして、「茶菓子」です。

レミニセンス、30

シェフが子供の頃好きだったお菓子という事で、雪見だいふく、プッチンプリン、チーズケーキ、きのこの山。
まさに追憶です。
特にきのこの山は、カカオの品質の良さが窺える、香り高く程良い苦味とコクのあるチョコレートでした。



以上、素晴らしい時間を過ごさせて頂きました。
とても美味しかったです。

河野裕輔
河野裕輔

ごちそうさまでした!



まとめ

今回、愛知県名古屋市で評判の高いフランス料理店という事で、「レミニセンス」(Reminiscence)さんに行ってきました。

評判の高いお店、評価されるお店造り、第一線で活躍されるシェフのお料理を体験しようと伺ったのですが、その評価される理由の一厘にでも触れる事が出来たのかなと思います。
何と言っても、料理に対するメッセージ、このお店のコンセプトである“余韻と記憶”。
「レミニセンスで過ごして頂いた時間がお客様の余韻と記憶に残り、素晴らしい人生に思い出という形で残ってほしい」という想いが、料理から接客、空間に至る迄、全ての面から伝わってきました。
ただ美味しい物を作れば良いというものじゃない事の想いが、評価される評価される理由の一つなのかもしれません。
料理人として、ある意味、発信者として、お客様にメッセージや想いを伝える事の重要性を真摯に感じさせられました。

私の、まだまだ至らない自分の未熟さを心底突き付けられましたが、臆せず高みを目指し精進しようと思います。

河野裕輔
河野裕輔

精進します!

第29回

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