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【おいしさの研究①】おいしさとは?うま味とは?コクとは?「おいしさ」を科学します!(味覚篇)

うま味 -料理理論の研究



私たちは食べ物を食べると味を感じます。
「おいしい」と感じれば食べ続けるし、
「まずい」と感じれば食べるのを止めます。
動物は生命維持に欠かせない栄養素を摂取する為に食事をしますが、
ヒトはさらに文化的行為を伴い、
家族や仲間と一緒に満たされた時間を過ごす為、
分かち合いを実感する為、
味を楽しむ為、
料理を作ってくれた人の愛を実感する為、
といった、様々な目的や意味を込めつつ食事をします。

そもそも「おいしさ」とは何なのでしょうか。

全く同じ料理でも、その日の体調や気分で美味しくないと感じる事もあります。
大好きな料理でも、嫌いな人と食べると喉を通らない事もあります。
食べた事のない料理でも、みんなが美味しいと言っていれば美味しく感じてしまう事もあります。

そういった点では、「美味しい」という言葉は、
「嬉しい」「楽しい」「悲しい」「寂しい」等、感情を表す言葉とも言えるのかもしれません。

しかし、そんな「おいしさ」と今回は科学的に向き合いたいと思います。
ただし、正直全て科学的に解明されているわけではありません。
少しでも解明できている所を理解し、美味しい料理を作る為の何かヒントを掴められればいいなと思います。

河野裕輔
河野裕輔

「おいしさ」を科学する!



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「おいしさ」を科学する

まずは、そもそも、私たちヒトが「おいしさ」を感じる仕組みを、科学的な観点でせまりたいと思います。

ヒトが「おいしさ」を感じる仕組みとは?

ヒトは何かを感じる時に、五感、
すなわち視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚を使います。

先生
先生

ヒトの感覚は、細かく分類すれば内臓感覚、平衡感覚等、20余りあるとする説明もある。

ヒトが料理を味わう時にも、五感全てを使い、味や香りや食感や熱等を感じ取ります。
さらに、これら五感に経験(食文化)、情報(先入観)等の環境要因や、心、身体の状態が加わり「おいしさ」が決まります。

その五感の中でも、「おいしさ」に最も影響を与える感覚は何なのでしょうか。

普通に考えれば味覚といえそうですが、
実際には、鼻をつまんで食べると味がしないという経験はあると思います。
これに関しての論文があります。

この論文を要約すると、

被験者に「視覚と嗅覚を遮断」、「視覚だけを遮断」、「嗅覚だけを遮断」した状態で、誰もが飲む一般的な飲料を飲んでもらい、何を飲んだか当ててもらった。
結果、「視覚と嗅覚の両方遮断」した状態での正答率は、最も低いもので、グレープジュースとカルピスでは10%だった。
水をお茶やコーヒーと判断した人もいた。
この結果から、視覚と嗅覚を遮断された味覚だけでは半分程度しか飲料の同定ができないことがわかった。
味覚の同定判断に及ぼす視覚と嗅覚の影響は、飲料にもよるが、同程度であると解釈される。
嗅覚か視覚のいずれかを使うことで、味覚の同定判断力が高まることが示される。

とあります。

この論文から分かるように、やはり「おいしさ」とは、本当に様々な感覚から得た、複合的な情報によってひとつの印象を決定しているのだといえます。

「おいしさ」と科学的に向き合うという事で、ひとつひとつの感覚にせまる必要があるようです。

その中でも、まず、今回は味覚についてせまりたいと思います。

河野裕輔
河野裕輔

大長編になる予感!?



味覚とは?

ヒトが味覚を使うのは往々にして摂食時で、ヒトの場合味覚を受容する器官である味蕾は舌、咽頭部、軟口蓋にあります。

味覚が認識する感覚として、五味、基本味、五原味といわれる、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味があります。
さらには、カルシウム味、脂肪味、デンプン味等が六番目の基本味の候補として提案されています。

基本味の定義として、味蕾に受容体が存在するものとされており、
辛味や渋味は、味蕾以外の口腔内全体の細胞によって認識され、温度感覚の麻痺や触覚への刺激等、それらに伴って得る感覚が、一種の痛みに近いものとして認識されると考えられています。

味蕾は、舌の部位による分担はなく、ひとつで五味全てに対応し、
さらに、味蕾にある50~100個の味細胞のひとつが、それぞれ1種類の基本味の受容に特化しており、またそこからその味に特化した味神経に繋がっており、1種類の味の情報として脳に伝えられると考えられています。


次に、五味について詳しくみていきます。



五味とは?

五味とは、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味です。
それぞれの役割や特徴といったものをみていきます。

甘味 エネルギー源。

酸味 新陳代謝の促進。腐敗のシグナル。

塩味 体液バランスに必要なミネラル供給。

苦味 毒物の警告。

うま味 生物に不可欠なアミノ酸や核酸の供給。

甘味や塩味やうま味は、得てして生物に必要な成分から感じます。
一方、酸味や苦味は、生物にとって有害な成分から感じます。
本能として、生きるのに必要な成分を見分けるのに味覚が発達してきたといえます。
ですので、子供が苦味の強い野菜や、酸味のある料理等を嫌うのは本能的であるといえます。
それが大人になるにつれ経験を積み、安全性がわかり、慣れて好むようになります。

19世紀以前は、基本味は、甘味、酸味、塩味、苦味の4つであると思われてきました。
しかし、日本の学者は「ダシがきいていない」という味覚は塩味や酸味が足りないのとは違う感覚であることを経験的に知っていました。
1908年、東京帝国大学の教授である池田菊苗により、昆布だしからグルタミン酸を発見し、その味を「うま味」と命名しました。
さらに、1913年に、小玉新太郎が鰹節から抽出したイノシン酸もうま味成分であることを確認し、
1957年には、国中明がシイタケ中から抽出したグアニル酸が新たなうま味成分であることを発見しました。
一方で、多くの欧米の学者には懐疑的に受け止められ、うま味なるものは塩味、甘味等がほどよく調和した味覚に過ぎないと考えられていました。
しかしその後、1985年にハワイで開催された、うま味国際シンポジウムで「うま味」(UMAMI)が学術用語として正式に認められ、
2000年に、味蕾にグルタミン酸受容体が発見された事によって、世界的に広く認知されるに至りました。

先生
先生

「うま味」の表記として、「旨味」「旨み」「うまみ」等はいわゆるおいしさを表しているのに対し、
「うま味」(UMAMI)という表記が、五味のひとつとしての学術用語して認められている。



そんな五味の中で、うま味というものは、なかなかイメージが付きにくいです。
次は、うま味について詳しくみていきます。



うま味とは?

うま味とは、どのような味なのでしょうか。
うま味インフォメーションセンターというNPO法人のサイトによると、うま味には3つの特徴があると述べています。

うま味の3つの特徴とは、
舌全体に広がる
持続性がある
唾液の分泌を促す

では、そのようなうま味は、どのような成分を受容する事によって、味蕾から味覚神経を伝って脳で認識しているのでしょうか。

上記サイトや本やネットで調べた結果、
うま味を感じる成分は、主に3つの系統にわけられ、アミノ酸系核酸系有機酸系となるようです。
これらを詳しくみていきます。

アミノ酸系
アミノ酸とは、主にタンパク質等を構成する物質。
主なうま味物質、グルタミン酸アスパラギン酸
グルタミン酸が多い食材、昆布、トマト、チーズ、緑茶、アスパラガス。

核酸系
核酸とは、全ての生物の細胞内に存在し遺伝現象の関与等をしている物質。DNA、RNA。
主なうま味物質、イノシン酸グアニル酸
イノシン酸が多い食材、鰹節、鯵、鮪、豚肉、鶏肉、牛肉。
グアニル酸が多い食材、干し椎茸、乾燥ポルチーニ、乾燥モリーユ。

有機酸系
有機酸とは、酸性の有機化合物の総称。
主なうま味物質、コハク酸
コハク酸が多い食材、蜆、浅利、牡蠣等の貝類。

この他にも、様々なうま味物質があります。

先生
先生

学術的には、うま味はグルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸にナトリウムやカリウム等のイオンが結合した塩類(グルタミン酸ナトリウム等)の味として定義されている。



そして、これらうま味物質は、それぞれ単独よりも組み合わせる事でうま味を強く感じられる事ができる、相乗効果があります。
次はそのうま味の相乗効果についてせまります。



うま味の相乗効果とは?

うま味の相乗効果について、うま味インフォメーションセンターのサイトや、
だし、鰹節等に関する商品を扱う会社のサイトを参考にさせて頂きます。

うま味の相乗効果とは、
代表的なうま味物質であるアミノ酸系のグルタミン酸と核酸系のイノシン酸やグアニル酸は、
これらはそれぞれ単独よりも、グルタミン酸と核酸系のうま味物質を組み合わせることで、うま味が飛躍的に強く感じられることが科学的に証明されています。

その代表的な組み合わせの2つです。

グルタミン酸×イノシン酸
グルタミン酸を認識したうま味受容体がさらにイノシン酸と接触することによって、グルタミン酸がより遊離しにくくなり、うま味を強く感じられる。

グルタミン酸×グアニル酸
グアニル酸はうま味受容体を変形させ、グルタミン酸をより長時間保持させることで、うま味を強く感じさせます。

さらに、グルタミン酸×イノシン酸の相乗効果を最も高める配合比があります。
それは、1:1。つまり同量が一番良いと言われます。
これは単独で味わうときに比べ、およそ7〜8倍のうま味の強さとされています

ソース画像を表示



ここで、素人ながらに単純に思い浮かんだ事がありました。
主なうま味物質として、グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸の他に、有機酸系のコハク酸があります。
なので、うま味の相乗効果をより高める為に、

グルタミン酸×イノシン酸×コハク酸

と組み合わせれば、さらにうま味が強くなるのではないかという事です。

しかしこれは、「うま味調味料の知識」という本で否定されていました。

コハク酸ナトリウムの呈味は独特の貝類様のうま味を持つ。
グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウムなどとの間に味覚上の相乗効果はない。



さらに、うま味について調べていると、たびたびコクという言葉をみかけます。
確かに、コクはうま味に近い物のようで、しっかりと定義しにくいです。
次はコクについてせまりたいと思います。



コクとは?

「コク」をWikipediaで調べてみます。

コクの定義
コクに対する明確な定義はないが、甘味・うま味・苦味・塩味・酸味の五基本味の総和、さらに香りや食感などが加わり、濃厚感や広がり、複雑さなどを併せ持つと考えられている。
「おいしい」と感じられる食品の中にも、果実などコク味の少ないものもあり、「おいしさ」とコク味は必ずしも同義ではない。
主観的評価である「おいしさ」に対し、「コク」は客観的評価に基づく数値化が可能である。

コク味物質
グルタチオンは味細胞中のカルシウム感知受容体と反応し、うま味・塩味・甘味の濃厚感や広がりを強める作用が報告された。
グルタミルバリルグリシンは、グルタチオンに比べこの活性が約10倍あることが明らかになり、調味料として応用されている。
味覚の面でコクを付与する物質には、うま味や甘味などの基本味をもつもののほか、それ自体は味を持たないものの他の味を修飾する物質としてグルタチオンやグルタミルバリルグリシン、メイラードペプチド、アリイン、PeCSOなどがある。
嗅覚の面でコクをもたらすものにはピラジン類や2-アセチルフラン、2-エチルヘキサノールがあり、香りを修飾する物質として油脂も重要である。
とろみをはじめとする食感、温度など物理的刺激もコクに寄与する。
食感においてコクを付与するものには油脂やゼラチン、デキストリン、β-グルカンなどがある。

さらに、

食品化学者の伏木亨は、2005年の著書で糖・脂肪・出汁のうま味の3要素からなる「コアのコク」、香りや風味、食感からなる「第2層のコク」、味わう側の修練を要する精神性のコクを「第3層のコク」として提唱した。

という説明がありました。
これが気になりましたので、この著書「コクと旨味の秘密」を読んでみたいと思います。

この「コクと旨味の秘密」に書いてある、
コクのメカニズム、コクの構造である「コアのコク」「第二層のコク」「第三層のコク」についてまとめてみます。

コクの構造
「コアのコク」
糖、脂肪、ダシのうま味の3要素。
コアのコクはやみつきになる。βエンドルフィンやドーパミンを放出して麻薬的快感を生み出す。
生命維持に深く関わる栄養素の味であるから、生命維持のための本能的な味わい。

「第二層のコク」
食感、香りや風味。
とろみやねばりという食感は、通常豊富な栄養素を連想させ、
甘い香りや油と共存する風味は、「コアのコク」を連想させる。
「第二層のコク」は単独ではコクではなく、あくまでも学習・連想されたもの、
栄養素の存在の手がかりとして利用される「連想のコク」

「第三層のコク」
物質的な実体の有無にこだわらない比喩・抽象のコク、味わう側の修練を要求する、精神性が加味されたコク。
例えば上品な吸い物は、それ自体の栄養素は高くなく、濃厚なコクがあるとも言えないが、余分なものが削ぎ落されたものの中にコクの純粋な形が感じられる、感じる側が訓練されてこそ隅々まであじわえるようなもの。
食べ物以外にも、コクのある人間とか、コクのある力強いリズム等、むしろ、食べ物以外にしばしば登場し、あらゆる場面でコクが使われる事が、コクという概念が何を示すのかよくわからなくなっってしまったとも言える。

「コアのコク」は本能、「第二層のコク」は学習、「第三層のコク」は修練。


あとがきで著者が

コクの本質にはたしてどこまで届いたのか。振り返ってもまだよくわかりません。
でも、霧の彼方に、コクらしき山の影が見え隠れする地点までは少なくとも行き着いたのではないかと思います。

と述べています。
それほどコクとは抽象的なものですが、確かに何か形は見えたのかなと思います。



さらに、味覚について、「おいしさ」を化学的にせまるうえで、美味しい料理を作る為のヒントを掴む為に、
様々な学術論文を読む事のできるサイト「J-STAGE」で調べたいと思います。



「おいしさ」を科学する論文

我々は、ナトリウム (Na) を含まないうま味物質であるグルタミン酸マグネシウム (MDG) を用い、おいしさを維持した減塩料理の提供を試みた。
通常の病院給食として供食している通常料理、Na量を減らした減塩料理とMDGを用いたうま味添加減塩料理の3通りの料理についての官能特性を比較した。
その結果、減塩料理は通常料理に比べて全ての項目で低値を示し、うま味添加減塩料理では顕著に改善した。
この結果から、通常料理を減塩する際にうま味を呈するMDGを用いても料理のおいしさを損なうことなく、Na摂取量を減らす有効な方法であると考えられる。



苦味は生得的に忌避される味質であるが、後味が長いことが知られており、検知閾値以下であれば、苦味とは認識されず何らかの刺激をもたらすものと考えられた。
そこで、本研究では、閾値以下の苦味がうま味の感じ方に及ぼす影響を、ヒト官能評価を用いて検討した。
被験者は19-20歳の男女とした。試料は味物質を単体または混合した常温の水溶液とした。
苦味物質として硫酸キニーネとナリンジン、うま味物質としてグルタミン酸ナトリウム、食品としてかつお風味調味料を用いた。
閾値以下の硫酸キニーネを含むうま味溶液と含まないうま味溶液のうま味強度を調べたところ、閾値以下の硫酸キニーネを含むうま味溶液のうま味強度が高い傾向であった。
一方、閾値以下のナリンジンでは有意な差は検出されなかった。閾値以下の硫酸キニーネの効果を食品においても確認するために、市販のかつお風味調味料を用いた検討を行った結果、うま味強度については有意な増強がみられたが、かつお風味については影響が見られなかった。
同様に、うま味の後味の長さに対する影響を検討したところ、閾値以下の硫酸キニーネを混合することにより、うま味の後味は有意に伸びた結果を得た。
以上より、閾値以下の苦味は食品のうまみ強度を増強し、うま味の後味を延長させる効果があることが示唆された。



5基本味を味わった際に生じる味覚強度変化や持続性を捉えるため、官能評価法の一つであるTime-intensity法(TI法)を用いて各味における特徴と温度変化が及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。
閾上濃度の5基本味溶液を試料として用い、評価にはコンピューターで実行するTI測定ツール(テイストテクノロジー有限会社)およびマウスを用いた。
測定中で最も味を強く感じた際の強度を尺度の最大値(非常に強い)とし、感じている味の強度についてマウスを動かし画面上のバーを操作することで、測定時間中継続して評価させた。
得られたTI曲線から最大強度(Imax)、最大到達時間(Tmax)、TI曲線下面積(Areaunder the curve:AUC)、全応答時間(Ttot)、測定開始から90秒までの10秒毎の強度(I10、I20、I30、I40、I50、I60、I70、I80、I90)を算出した。
酸味のAUCは他の4味に比べて有意に小さく、また苦味のAUCは甘味,塩味および酸味に比べ大きいことが認められた。
Tmaxは酸味が甘味、うま味および苦味に比べ有意に短いことが認められ、Ttotは酸味が塩味、うま味および苦味に比べ有意に短く、苦味が甘味、塩味および酸味に比べ有意に長いことが認められた。
10秒毎の強度に関しても、20秒から70秒後まで酸味では他の味よりも弱く、苦味では他の味よりも強い項目が多くみられた。
したがって、酸味は最大強度到達時間および全応答時間が短く、強度変化が急激であることが明らかとなった。
また、苦味は最大強度到達時間および全応答時間が長く、強度変化が緩慢であることから、後味が残りやすい傾向があった。



「おいしさ」を科学する論文のまとめ

・うま味は美味しさを損なう事なく料理を減塩できる。

・閾値以下の苦味は食品のうま味強度を増強し、うま味の後味を延長させる効果がある。

・酸味は温度変化に弱く、苦味は温度変化に強い。



今後も、「おいしさ」を科学する論文が調べられ次第、ここにあげたいと思います。

河野裕輔
河野裕輔

今後に期待!



まとめ

今回、「おいしさ」と向き合い、「おいしさ」を科学するという事で、
まずは、味覚からせまり、うま味、コクといったものを学びました。

美味しい料理を作る為のヒントを掴められればと思い、「おししさ」と科学的に向き合おうと思い、この記事に取り組み始めましたが、
科学的に向き合えば向き合う程、「おいしさ」とは奥深いもので、科学的に全貌を掴められるものではないのではないかと思ってしまいました。
化学的に証明できた事があったとしても、それは「おいしさ」のほんの僅か一部にすぎない事も同時に現実として突き付けられてしまいます。
確かに、「おいしさ」が科学的に全貌が解明できると思い、この記事を書こうと思ってはいませんでしたが、
ここまで「おいしさ」の全貌が解明できないものなのかとは思いませんでした。

今回の最大の収穫は、「おいしさ」とは科学的に全貌が解明できない程奥深いものという度合いが、この記事に取り組む前よりは少しはわかったという事が、一番の収穫だったのかもしれません。
ただ、美味しい料理を作るにあたって、自分の感覚、舌だけで判断するのではなく、
科学的に人間が「おいしい」と感じる料理というものも頭に入れて、料理に取り組むのは、何か違ったアプローチを閃くためのヒントには成り得ると思います。

今回は、「おいしさ」を科学する(味覚篇)という事でやってきましたが、
次回は、「おいしさ」を感じる感覚として、嗅覚についてせまり、
さらに「おいしさ」と科学的に向き合いたいと思います。



こうして、いずれ開く店への道のりが、また一歩踏み出されたのです。

河野裕輔
河野裕輔

20歩目!


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