2020年10月27日、福井県吉田郡永平寺町にある曹洞宗の大本山「永平寺」で坐禅体験をしてきました。
私は、以前から禅というものに興味を持っていました。
禅というと坐禅という事で、一度体験してみたいなと思っていました。
しかし、禅に興味があるというものの、禅というものが何なのかというのは全くと言っていいほど分かっていません。
ですので、まずは、禅というものはどういうものなのかという事を調べて学んでから、坐禅体験に行こうと思いました。
マインドフルネス!
禅とは?
まずはWikipediaで禅の事を調べました。
そもそも、禅という言葉の由来は、サンスクリット語のディヤーナを中国語に音写した禅那の略語です。
ディヤーナとは禅定の事で、禅定とは、仏教で心が動揺する事がなくなった一定の状態を指します。
サンスクリット語とは、インド等の南アジア及び東南アジアにおいて用いられた古代語で、ヒンドゥー教の礼拝用言語でもあり、仏教でも多くの経典がこの言語で記されました。
仏教には三学と呼ばれる、仏道を修行する者が必ず修めるべき基本的な修行項目があります。
その中の一つに定学というものがあり、定学とは、禅定を修める事で心の散乱を防ぎ安静にする為の方法を修する事をいいます。
この定学の基本的な修行方法として坐禅が行われます。
禅宗の成り立ち
このように、坐禅そのものは古くから仏教の基本的な修行方法でしたが、ある時期から坐禅を中心に行う仏教集団が現れ始め、後の時代にその集団の事を禅宗と呼び始めました。
こうして宗派として確立されると、その起源を求める声が高まり、さかのぼって開祖とされたのがインド人の僧である達磨です。
禅の思想が日本に入ったのは飛鳥時代とされ、広がりを見せたのは鎌倉時代とされています。
その日本の禅においての広がりに大きく関与したとされている人物が、臨済宗の日本における開祖である栄西と、曹洞宗の日本における開祖である道元です。
臨済宗と曹洞宗の違い
臨済宗と曹洞宗は、同じ禅の思想を組む宗派ですが、修行観や価値観に違いがあります。
修行観
臨済宗:看話禅
公案という師から与えられる問題を解いて悟りに到る。
曹洞宗:黙照禅
ただ黙々と坐禅する事によって人が持つ仏としての心性が表れ、仏徳が備わる。
この修行観の違いからか、坐禅の組み方にも違いがあります。
坐禅の組み方
臨済宗:人と向かい合って座禅を組む。
曹洞宗:壁に向かって座禅を組む。
以上で禅の基礎知識を学びました。
禅の事を分かりやすくまとめてある動画として、「中田敦彦のYouTube大学」の動画がとても分かりやすかったので、載せさせて頂きます。
禅について、これ以上詳しい事は、今後坐禅体験を経験しながら、より深く学んでいこうと思います。
禅の基礎知識を学んだうえで、どこのお寺で坐禅体験をしようかと考えた時に、私は曹洞宗の黙照禅が気になりましたので、その曹洞宗の大本山である永平寺で最初の坐禅体験をさせてもらおうと思いました。
永平寺の坐禅体験
では、永平寺での坐禅体験の様子を書いていきます。
まず、永平寺のホームページで坐禅体験を受け付けているか調べました。
坐禅体験は1日に3回、
午前の部10時から、午後の部②13時半から、午後の部③15時半から、
1人につき500円で受け付けていました。
この他にも、朝課(朝のおつとめ)や、
参禅、宿泊での参禅研修も受け付けているようですが、この時期は新型コロナウイルスの影響で、宿泊での参禅研修は休止されていました。
坐禅体験は特に予約も必要ないようなので、そのまま永平寺に向かいました。
福井県の永平寺町は、まさに町を挙げて永平寺を禅を取り上げていました。
山の中腹に永平寺はあり、その山道、参道沿いにはお土産屋さんが並び、永平寺名物の胡麻豆腐のお店もあります。
まずは入り口です。
「日本曹洞宗第一道場」の文字が目に入ります。
まさにここは禅の修行をする場所なのだと認識させられます。
境内に足を踏み入れた瞬間に、空気が変わり、厳かな雰囲気に満ち溢れています。
通用門です。
こちらで、検温と拝観料を支払います。
さらに奥にあります吉祥閣という建物にあります総受処で、坐禅体験の受付をしていました。
開始時間までには、総受処前のロビーで待っているように言われました。
時間まで少し時間がありましたので、それまでお寺の中を見て回りました。
坐禅体験の時間になり、ロビーで待っていると、お坊さんが「坐禅体験の方は集まって下さい。」と呼ばれました。
そのまま参加者と並んで、吉祥閣の上の階へと進みました。
そこには、普段お坊さんが坐禅している場所と同じように造られた坐禅体験用の部屋がありました。
そこで、お坊さんから丁寧な説明を受けながら坐禅を行っていきます。
その部屋に入る時にも作法があり、自分の座る場所での座り方にも作法がありました。
詳しい坐禅の作法はこちらをご覧下さい。
ちなみに、この時期は新型コロナウイルスの影響で、肩を打ってもらう警策は行っていないとの事でした。
坐禅の座り方には、結跏趺坐と半跏趺坐とあります。
坐蒲という、小さい枕のような物をお尻に敷きます。
結跏趺坐
半跏趺坐
私はどちらも姿勢的につらくできなかったのですが、その場合は無理に足を組まず、胡坐でもいいとの事でした。
約40分ほどだと思いますが、この姿勢で坐禅に入りました。
目は閉じず薄っすら開けます。
音は鳥のさえずり、風で木々のなびく音、自然の音のみです。
邪念を取り払い、自分の内に入っていく感覚です。
しかし、まだ慣れていないので、足の痛みや眠気等であまり集中できませんでした。
それでも、思いのほか、時間は過ぎるのは早く感じました。
終わりの合図の鐘の音で坐禅を終え、また決まった作法でその部屋を出ました。
これで坐禅体験の終了です。
まとめ
今回、禅に興味があったので、福井県にある曹洞宗の大本山「永平寺」で坐禅体験をしてきました。
初めて坐禅をしてみて、その姿勢による足の痛みにより、あまり集中できませんでした。
まずは、結跏趺坐ができるようにならなければならないと思いました。
胡坐の方が楽そうですが、胡坐の方が長時間その姿勢でいると足が痛くなりやすいそうです。
結跏趺坐の方が長時間その姿勢でいるのが楽なのだそうです。
その上、結跏趺坐は背筋が伸びやすいので、姿勢として綺麗にまとまって見えます。
結跏趺坐は、ヨガでも同じポーズがあり、蓮華座やパドマアーサナと呼ばれています。
結跏趺坐ができるようになるには、股関節の柔らかさが必要なのだそうです。
YouTubeで結跏趺坐の事を調べると、結跏趺坐ができるようになるストレッチが色々紹介されています。
これからこのストレッチをして、結跏趺坐ができるようにしていきたいです。
初めて坐禅をしてみて、まだまだ禅の入り口にも立っていない感じはしますが、これから説法等も聞いて、禅の思想に触れていきたいです。
禅の思想に触れ、坐禅を組み、この禅という日本文化を習得していきたいと思います。
修行します!
コメントはこちらからどうぞ