6月に入り、段々と気温も高くなり、もうすぐ訪れる夏の気配を感じる季節になってきました。
スーパーに入れば、野菜や果物、魚介類等も春が旬の物は終わりを見せ、夏が旬の物に変わり始めています。
そんな中に、朝採れという言葉と共に玉蜀黍も並び始めてきます。
今回はこの玉蜀黍と向き合いたいと思います。
近頃のスーパーに並べられている玉蜀黍はとても甘くて生でも食べられる物で、様々な品種の名前を目にします。
この玉蜀黍の品種も一度整理しておく必要がありそうです。
その上で、玉蜀黍の美味しさを最も引き出す調理方法を理論的に考察していきたいと思います。
とうもころしぃ!
とうもころしの基礎知識
まずは、玉蜀黍そのものについて学んでいきます。
Wikipediaと、
野菜や果物や魚介類等の旬をはじめとする情報を紹介しているサイト「旬の食材百科」、
とうもろこしの総合情報サイト「トウモロコシノセカイ」、
これらを参考にさせて頂き学んでいきます。
https://ja.wikipedia.org/wiki/トウモロコシ
玉蜀黍
トウモロコシ(玉蜀黍、玉米、学名 Zea mays subsp. mays (L.) Iltis)は、イネ科の一年生植物。
穀物として人間の食料や家畜の飼料となる他、デンプン(コーンスターチ)、油、バイオエタノールの原料としても重要で、年間世界生産量は2009年に8億1700万トンに達する。世界三大穀物の一つ。
アメリカ大陸の原産で、15世紀末に新大陸を発見したコロンブスがヨーロッパに持ち帰って広まり、日本へは16世紀終わり頃に伝わって全国に広まった。
日本語では地方により様々な呼び名(地方名)があり、トウキビまたはトーキビ(唐黍)、ナンバ、トウミギ等と呼ぶ地域もある。
コーン (corn) とも言い、英語圏ではこの語は本来穀物全般を指したが、現在の北米、オーストラリア等の多くの国では、特に断らなければトウモロコシを指す。但し、イギリスではトウモロコシを メイズ(maize)と呼び、穀物全般を指して コーン(corn)と呼ぶのが普通である。
とうもろこしの名前の由来は、日本にとうもろこしが伝えられた際、中国から渡来していた「モロコシ」という植物に似ていた事もあり、「唐のモロコシ」という意味で「トウモロコシ」となった。「モロコシ」の漢字は「蜀黍」もしくは「唐黍」が使われていた為、とうもろこしを漢字で書くと「唐蜀黍」や「唐唐黍」となり紛らわしく、唐の代わりに玉を使用する事でそれを防ぎ、「玉蜀黍」と呼ばれるようになった。玉が使用された理由は、とうもろこしの別な呼び方として「玉黍(たまきび)」がある為で、「玉黍」という名前は、当時の人がとうもろこしの実が黄金色に美しく並んでいる様を見てそう呼んだとされている。
玉蜀黍の黄色や白色の実は、穎果(えいか)と呼ばれるイネ科植物に見られる果実。
玉蜀黍の種類
玉蜀黍は長い栽培の歴史の中で用途に合わせた種々の栽培品種が開発されています。
雑種強勢(異なる品種同士を交配すると、その子供の生育が盛んとなる交配の組み合わせ)を利用したハイブリッド品種が1920年頃からアメリカ合衆国で開発され、以後収量が飛躍的に増加しました。
一般に玉蜀黍の分類に用いられるのは、粒内のデンプンの構造によって種を決める粒質区分で、種によって用途や栽培方法に違いがあります。
主に食用用途の品種として甘味種(スイートコーン)があり、
その中にも
黄色粒種(ゴールデンコーン)、
白色粒種(シルバーコーン)、
バイカラー粒種(バイカラーコーン)、
があります。
さらに、甘味に関わる遺伝子、su遺伝子、se遺伝子、sh2遺伝子等の組み合わせにより、スイート種、スーパースイート種、ウルトラスイート種等にも分類されます。
他に加工用途の品種として、
ポップコーンになる爆裂種(ポップコーン)、
デンプンや飼料になる馬歯種(デントコーン)、
飼料や工業用原料やトルティーヤになる硬粒種(フリントコーン)、
餅質のデンプンを多く含む糯種(ワキシーコーン)、
軟質のデンプンにより形成されている軟粒種(ソフトコーン)、
等があります。
スイートコーンの品種
玉蜀黍の甘味種(スイートコーン)は、様々な種類の品種・ブランドが市場に流通しています。
その中の一部をみていきます。
黄色粒種(ゴールデンコーン)
味来(みらい)
アメリカで品種改良され生まれた品種で、1990年代後半に日本に導入され、2000年頃からずば抜けた甘さや生食可能な事で一躍有名になった。
「味来390」の他に「味来14」中早生タイプの「味来7000」、「味来早生130」等の品種がある。
通常のとうもろこしよりもサイズが小ぶり。
「ミラクルスイートコーン」とも呼ばれる。
黄色粒種(ゴールデンコーン)
ゴールドラッシュ
日本の種苗メーカー「株式会社サカタのタネ」が開発育成した品種で、2002年頃市場デビューした。現在「ゴールドラッシュ」の他に、より甘みが強くて粒皮が柔らかで食味が良い「ゴールドラッシュ88」、「ゴールドラッシュ」よりやや粒皮が固めだが爽やかな甘みで食味が良い「ゴールドラッシュ86」、フルーツのような香りが強くて食味が良く、糖度の低下が遅くてしなびにくいのが特徴の「ゴールドラッシュ90 」、熟期が短く食味が良い「ゴールドラッシュネオ」等、熟す迄の期間が異なる4タイプが販売されている。
通常、店ではゴールドラッシュ4タイプは区別される事なく全て「ゴールドラッシュ」として売られている。
国内の有力メーカー品であり、味来に対して比較的栽培し易く、味も良い事から、市場に占める割合はかなり高くなっている。
先端不稔(穂の先端にあまり実が付かない状態)が少なく先までびっしり実が付きやすいく、粒の皮が薄く、新鮮であれば生のままかじっても甘く美味しいのが大きな特徴。
タイプによって植え付けの時期や収穫までの期間が異なり、暖地でハウス栽培されたゴールドラッシュやゴールドラッシュネオであれば5月から収穫が可能で、遅い物では高冷地や冷涼地で抑制栽培された物は10月中旬辺り迄収穫期となっている。
黄色粒種(ゴールデンコーン)
サニーショコラ
糖度は高いもので19度を誇り、粒皮も薄い為「フルーツコーン」と呼ばれている。
フルーツコーンの中でもすっきりとした甘味や柔らかくて瑞々しい食感で食味も良く、生食可能。
特にこの品種は生で食べる事が前提で生まれた品種と言われている。
450~500gと大きくてボリューム感がある「サニーショコラ88」もある。
黄色粒種(ゴールデンコーン)
ミエルコーン
「ミエル」とはフランス語で「はちみつのような甘さ」という意味。
先端まで実があり、他の品種に比べて粒の皮が薄く、シャキッとジューシーな食味と、17~18度と高い糖度が特徴。
生食可能で高い甘味から「フルーツコーン」と呼ばれる。
低い位置に穂が実り、倒伏しにくく、包皮のかぶりも良い為、鳥害が少ない利点もある。
黄色粒種(ゴールデンコーン)
ピクニックコーン
味来の品種改良型で、平均糖度が18度以上。
粒皮が他の品種より柔らかく、フルーツのような甘さで、生食可能。
見た目は小さく12~15㎝程(手のひらサイズ)で、一般的なとうもろこしの7割程度の大きさ。
種苗会社では、火を通した後に冷やす事により甘みが増加される事をPRし、火を通した後冷たくして食べる事を推奨している。
白色粒種(シルバーコーン)
ピュアホワイト
雪印種苗が開発し2002年に発表した。
純白を表す色名「Pure White」通りの真っ白の見た目や、生食可能のスイートコーンとしてテレビをはじめ様々な媒体で取り上げられ、認知度は全国的にもかなり広まっている。
生産地は主に北海道で、栽培に当たっては、他の品種(黄色、バイカラー系)との交配を避ける為、一定の距離(300m以上)を空けたり隔離しなければならないとされる。
当初は、栽培が非常に困難な品種であり、生産に高いリスクを伴う事から、生産者、生産量が少なく、希少価値の高い品種として「幻のとうもろこし」と言われてきた。
近年では多数のメディアでの紹介から人気になり、生産者も徐々に増え、各地で見かけるようになってきた。
白色粒種(シルバーコーン)
雪の妖精
株式会社トーホクが作り出した中早生の白粒F1(一代雑種)品種。
F1品種なので栽培して採種し、それを翌年蒔いても安定した同じスイートコーンは作れない。
ピュアホワイトより後発だけに、白さや食味はより優れたものとなっている。
糖度も上がりやすく、通常でも15~18度、生産者によっては20度を超えるものまで作られる。
バイカラー粒種(バイカラーコーン)
ハニーバンダム
アメリカより伝来、昭和60年に登場し、日本で初めに食された品種。
その後、品種改良により「ピーターコーン」が登場して以来、生産が減少し市場流通より姿を消しつつある。
極めて豊産で一株当り3~4本は着果し、収穫してから数日間甘さが持続するといった特徴がある。
極早生種の「ハニーバンタム20」や「ハニーバンタム早生200」といったハニー系の改良品種もある。
バイカラー粒種(バイカラーコーン)
ピーターコーン
黄色と白色の粒が3:1に混じるバイカラーで、大きな穂を付ける
種蒔きから90日程度で収穫となる作り易い人気種。
栽培適応が広い為、早蒔きから遅蒔き使える品種。
バイカラー粒種(バイカラーコーン)
ゆめのコーン
黄色粒の色はレモンイエローで光沢が強く、甘味の強さと非常に柔らかな粒皮が特徴。
生食可能で、収穫後の粒皮の硬化、甘味の低下が遅いのも特徴。
収穫期の幅が広く、先端不稔が殆ど無く、高い秀品率のとても栽培しやすい品種。
より粒皮がやわらかい「ゆめのコーン85」や、ボリュームのある「ゆめのコーン80」等の品種もある。
バイカラー粒種(バイカラーコーン)
甘々娘(かんかんむすめ)
スイーツコーン、フルーツコーンと呼ばれるほど甘味が強く、平均糖度が15度以上ある。
粒皮が薄く、生食可能。
栽培の難しさから、市場では希少で「幻のとうもろこし」とも言われており、他の品種に比べ時間経過による糖度の低下が遅いのが特徴。
玉蜀黍は、様々な企業や組織による研究により、より美味しく、より食味の良い品種が開発されてきたようです。
では、これらの玉蜀黍の美味しさを最も引き出すにはどのように調理すればよいのでしょうか。
次に、玉蜀黍の調理方法について考察していきます。
玉蜀黍の調理方法(理論編)
美味しい料理を作るにあたって、まず初めに大事な事は、美味しい食材を手に入れる事だと思います。
美味しい玉蜀黍を手に入れようと、売り場を見てみると、玉蜀黍の品種・ブランド名と共に、「朝採れ」という謳い文句が掲げられています。
確かに、イメージとして美味しそうなのですが、その根拠はあるのでしょうか。
まずは、朝採れ野菜が美味しい根拠について調べたいと思います。
朝採れ野菜が美味しい理由とは?
朝採れ野菜が美味しい理由についてネットで調べてみたところ、農家の方々が見解を述べていたので、これらを参考にして学ばせて頂きます。
朝採れ野菜が美味しい理由とは?
まずは。
なぜ朝採りを強調しているのかについて考えていきます。
ふつうに「新鮮野菜です」とか「採れたて野菜です」とか言えばいいところを朝に収穫しているという事実を強調するのはなぜか。
これはおそらく、イメージがいいからです。
朝採りと書けば、いまここに並んでいる野菜たちは早朝に収穫されてそのまますぐに店頭に届いている、ものすごく新鮮なんだと思いますよね。
だから、すこしでもたくさん買ってほしいという販売戦略として朝採りという表現をしている。
これがほとんどです。
野菜が新鮮であることは、美味しさを決めるもっとも重要な要素と言えますので、直売所の朝採り野菜は鮮度という観点からみれば最高点がつけられて当然です。
朝採りが新鮮で美味しいというイメージはあるけれど、たとえば収穫したてを食べるのであれば朝に収穫したときと夕方に収穫したときでは違いがあるのか、気になりませんか?
朝採り野菜は美味しいというけど、夕方採り野菜じゃだめなのか。
植物は、太陽がでている日中に光合成をすることによってデンプン(炭水化物)などの養分をつくりだします。
つまり、朝から夕方にかけてエネルギーを蓄える活動をしています。
そして夕方から翌朝にかけて、太陽が出ていない間は蓄えたエネルギーを使って茎葉を大きくしたり果実に養分を蓄えたりします。
かんたんにいえば植物は、日中に蓄積し、夜間に消費する、そういう活動を繰り返しているわけです。
ということは。
一日のうちで葉に養分がもっとも溜まっているのは夕方。
一日のうちで果実に養分がもっとも溜まっているのは朝。
ということになります。
つまり。
トマト、キュウリ、ナス、ピーマンのような果菜類は朝どりが美味しい。
小松菜、ほうれん草、キャベツ、ネギのような葉菜類は夕方どりが美味しい。
と言えます。
美味しい、というよりも栄養価が高いといったほうが適切かもしれませんが。
じゃあ、朝採り野菜が必ずしも美味しいわけじゃないのか、朝採り野菜をありがたいと思っていたのは間違いだったのか、と怒りが湧いてくるかもしれませんがそうではありません。
野菜は収穫してからも生きています。
その生きた状態をいかに保って店頭までもっていくのか、つまり鮮度保持が重要になってくるんです。
葉菜類は夕方に収穫したほうがいいからといって、前日に採ってしまうことが本当によいことでしょうか。
早朝に採って数時間後にならべるのと比べて、前日夕方に採った野菜のほうが美味しいと思いますか?
朝採りしたホウレンソウを数時間後に店頭で買えるのと、前日に採っておいたホウレンソウを翌日に店頭で買えるのと、どっちが美味しいと思いますか?
根拠となるデータは見つかりませんでしたが、個人的には鮮度に勝る美味しさはないと考えています。
つまり朝採りホウレンソウのほうが美味しい。
ただしこれは、収穫したあとにどんどん鮮度が落ちていくという仮定での話。
もし収穫してすぐに冷蔵庫へ入れることができるなら、おそらく夕方に収穫したホウレンソウのほうが美味しいはずです。
収穫してすぐに冷蔵庫へ入れる。
畑で収穫しているすぐそばに保冷トラックが用意されていて、ほぼ鮮度を落とすことなく輸送することができる。
そんな夢のような取り組みをしている農業団体は、実際にいます。
もちろん私のような小さな農家には無理です。
でも、小さな農家は資金力こそありませんが知恵を絞ります。
考えて考えて、最高の一手を見つけ出します。
その一手とは、季節に合わせること。
無理なく育て、無理なく収穫し、無理なく出荷する。
無理しないことが、結果として美味しさをお届けすることにつながっていたんです。
夏野菜の大半は果菜類です。
トマト、キュウリ、ナス、ピーマン、カボチャ、オクラ、トウモロコシ・・・。
夏はとにかく暑い季節。
太陽が出てくる前の早朝でなければ、収穫しているそばから野菜がしおれてしまうんです。
また、気温が高いので収穫したあとの鮮度低下が著しいです。
だから暑い夏は涼しい早朝にしか収穫できません。
果菜類は朝どりが美味しいと書きましたが、どのみち夏は早朝収穫になってしまうんです。
無理なく夏に育てられた実のなる野菜は、無理なく朝に収穫すれば勝手に美味しくなるということが言えます。
では逆に寒い冬はどうかといえば。
冬はとにかく寒くて、夕方に収穫したものであっても一夜を明かすときの温度が低いため鮮度が落ちにくいです。
翌日になっても新鮮さは保たれています。
また、冬に収穫するというのは採った直後から冷蔵庫に入っているようなものです。
日中であっても外気温が低いので。
さらに。
朝どりが美味しいとか言って無理に朝に収穫しようとすると、霜が降りたり凍ったりしていて収穫できなかったりします。
もともと夕方(午後)にしか収穫できないんです。
夕方どりが美味しい葉菜類は、冬には夕方にしか収穫できない。
無理をしなければ、当たり前のように美味しい時間帯に収穫することになるんです。
じゃあ春や秋はどうでしょうか。
春や秋に育つ野菜たちは、冬と同様に葉菜類が多いです。
ということは夕方に採ったほうが美味しいのでしょうか。
じつはちょっと違います。
春や秋は、冬に比べればずいぶんと暖かいです。
夜間にしたって10℃以上あったりしますよね。
そんな気温の中で、夕方に収穫をしてしまったら、採ったあとの野菜はどんどん鮮度が落ちていくことになります。
気温の高さは野菜の生長を促して鮮度低下につながりますから。
鮮度の落ちを防ぐという点でみれば、気温がまだまだ高い春や秋は朝収穫がいいと思います。
新鮮さが味に与える影響の大きさを考えたら、収穫から店先に並ぶ時間は短いほうがいい。
気温が高い季節だからこそ、収穫してからの時間が重要です。
というわけで、春秋の野菜は朝どりがいい。
無理をしないという見方をするなら、畑に霜が降りているかどうか、野菜が凍っていなくて朝に収穫ができるかどうか、冬から春の境目、秋から冬への境目が切り替えのカギになります。
美味しい状態でお届けするためには、
収穫したあとの鮮度をいかに保つのか。
植物生理からみて美味しいのは朝なのか夕方なのか。
という2点を気にしながら収穫時間帯を決めると、野菜の美味しさはさらに際立つという話をしてきました。
といっても難しく考える必要はないんです。
11月くらいから翌4月くらいまでの寒い季節は夕方に収穫する。
それ以外の暖かい季節は朝に収穫する。
これだけのことです。
そして。
旬の栽培を心がけながら多くの種類の野菜を育てている、いわゆる多品目栽培農家というのは、上記のような収穫を図らずも当たり前のようにやっているんです。
寒い季節は朝に収穫ができないから出荷する前日の夕方に収穫をしておく。
当日収穫ですみません、とか言いながらやっていたことが、じつは理にかなっていたんです。
朝採れ野菜が美味しい理由とは、色々な要素が絡んだ結果、朝採れの方がより良いという考えの結果のようです。
玉蜀黍についても同じように朝採れの方が美味しいと言えそうです。
玉蜀黍については、もう少し詳しく調べたいと思います。
次に、玉蜀黍が甘い理由、朝採れが美味しい理由について調べてみます。
朝採れ玉蜀黍が甘い理由とは?
朝採れ玉蜀黍が甘い理由についてネットで調べてみたところ、
玉蜀黍が甘い理由は、「一般社団法人日本植物生理学会」、
朝採れ玉蜀黍が甘い理由は、食や農に関する気付きをお届けするwebマガジン「rassic(ラシック)」、
玉蜀黍が時間と共に甘くなくなる理由は、東京都杉並区にある「暮らしのいろいろ ていねいに、」のサイト「やさい、ごはん、化がく。つちとね」、
これらを参考にして学ばせて頂きます。
玉蜀黍が甘い理由とは?
まず、トウモロコシが甘い理由については、「その部分に糖類が貯まっているから」とお答えします。
分析の結果によると、甘さの原因になっている糖類の主成分は、多くの場合、ショ糖(蔗糖)のようです。ただし、ショ糖以外に、果糖や葡萄糖(グルコース)の場合もあり、麦芽糖が含まれることもあるようです(成分の組成は、品種や栽培条件、成熟段階によって大きく変わります)。
ショ糖などを貯めている部分は、主に、胚の発芽と初期の発生を助けるはたらきをする胚乳組織です。ここで問題になるのは、この組織にどのような仕組みで、どんな理由でショ糖が貯まるかということですね。ショ糖は、葉で営まれる光合成でつくられて、種子の部分に運ばれ、最終的にはそこで進行するデンプンやタンパク質の合成のための材料となります。このため、運び込まれる速さがデンプンなどの合成に使われる速さを上回る場合には、ショ糖の蓄積がおこることになります。トウモロコシは「とれたての方が美味しい」とか、「朝どりしたものが美味しい」とか言われたりするのは、このような代謝のバランスに関係した話です。そもそもトウモロコシが甘いのは種子がまだ完熟に至らない段階においてですね。
私は、トウモロコシを食べるとき、根元の部分が美味しいか先端の方が美味しいかを何時も気にしております。しかし、残念ながらまだこのことについては結論に達しておりません。
朝採れ玉蜀黍が甘い理由とは?
あまり知られていませんが、とうもろこしは特殊な野菜で、光合成を1日に2回するそうです。
光合成が終わってから呼吸をしたり栄養を運んだりして、とうもろこし自身の基礎代謝を高めます。そうすることで、2回分の光合成でつくった糖分を実にたくわえて甘くなるそうです。
朝もぎがおいしいのは、光合成をしているときは呼吸をしたり栄養を運んだりが活発になるだけで、光合成が終わってから栄養を使いとうもろこし自身の基礎代謝を高めるので、光合成前の朝がいいのです。
玉蜀黍が時間と共に甘くなくなる理由とは?
まず、甘さの理由は、「糖類」です。
主にショ糖や果糖のようで、これらはそれぞれ砂糖と果物の甘み成分の分子と同じ。
糖類がとうもろこし内でつくられる理由は、人間がご飯を食べて、それが体内で分解されてエネルギーに変換されるのと同じで、光合成でつくられた糖類は、種の発芽を助けるためのエネルギーとなるから。
この糖類は、とうもろこしの成長とともに(時間経過とともに)、ぎゅぎゅっと寄り集まっておだんごみたいになる。
これが、「でんぷん」と呼ばれるもの。
とうもろこしのでんぷんは、「コーンスターチ」という名前で売っている。(スターチ=でんぷん、の意味なのでそのままだったんだね←今知った)
コーンスターチをつかうことが少ないと思うので、じゃがいも由来のでんぷんである、「片栗粉」を例にとると、片栗粉、水に溶かしたもの、美味しいか、となると、うまくない。甘くない。くちのなかでざらざらする。である。
糖が寄り集まった状態のままでは人は甘さを感知できない。
でんぷん粒が大きいから、舌のうえでざらざらとした感触が分かる。
(一方、糖はとっても小さくて舌の上でかたちを認識できない) から。
そんなこんなで。
収穫した後も、組織は生きているので、収穫が遅れたもの、収穫から時間が経って市場に出たもの、に関しては、
「糖類が寄り集まって、でんぷん化しちょる!!」
「甘くないし、ざらっとしてる!!!」→(生で食べるのは無理だーーー!)
みたいなことが発生する。
新鮮なものは、もちろん、その逆です。
まだ、おだんごみたいなでんぷんになっていない糖類がたくさん!なので、生で食べた時に
「あっま!!!!!生でイケるやん!!!!ざらざらもない!!!」となります。
ちなみに、糖が寄り集まってでんぷんになるために、ある「酵素」が小人のようにせっせとそのお手伝いをするようです。
つまり、「あまさを長く保ちたい」と思ったら、採れたてを早く加熱調理すること!(高温で酵素は失活します。役目をできなくなる。)みたいだよ。
すぐの加熱ができなければ、低温で保管するのが良いようです。(あったかい方が酵素の小人は良く働くようで)
朝採れ玉蜀黍が甘い理由とは、玉蜀黍の胚乳に糖類が一番貯まっている時間が朝だからのようです。
その糖類は時間経過と共に酵素によりデンプンに変えられ甘味を失ってしまうようです。
では、この玉蜀黍の甘味を最も引き出すにはどのような調理方法が最適なのでしょうか。
このブログで以前学んだ、同じ野菜である薩摩芋と同じように、その野菜を甘くする最適な加熱温度と時間というものが玉蜀黍にもあるのでしょうか。
次に、玉蜀黍の最適な加熱温度と時間を考察していきます。
玉蜀黍の最適な加熱温度と時間とは?
まずは、このブログで以前学んだ同じ野菜である薩摩芋の最適な加熱温度と時間を振り返ってみます。
まずは、薩摩芋の甘味が形成される仕組みとは?
薩摩芋の甘味が形成される仕組み
薩摩芋の甘さに関わる主な糖質成分は果糖(フルクトー ス)、葡萄糖(グルコース)、蔗糖(スクロース)、麦芽糖(マルトース)であるが、中でも後2者の占める割合が大きい。
この内麦芽糖(マルトース)は、未加熱塊根には殆ど含まれず、加熱によって糊化したデンプンにβ-アミラーゼが作用する事により生成される。
次に、薩摩芋に最適な加熱温度と時間とは?
さつまいもに最適な加熱温度と時間
デンプンが糊化する温度70~75℃
β-アミラーゼの至適温度80℃以下
ペクチンが硬化しない温度80℃以上
(※数字は目安でさつまいもの品種、産地による)
の3点に考慮しなければならない。
そして、実際の薩摩芋の調理方法とは?
薩摩芋の調理方法
1、薩摩芋をアルミホイルで包み、オーブンで140℃で1時間焼く。
2、焼いた薩摩芋を70℃で4時間加熱する。
3、再度オーブンで160℃で2時間焼く。
(※オーブンにより温度と時間は変動有り)
4、5分休ませる
薩摩芋の調理方法(簡易版)
薩摩芋をアルミホイルで包み、オーブンで140~160℃で2~3時間焼き、5分休ませる。
これらの薩摩芋の最適な加熱温度と時間の理論は、玉蜀黍にも当て嵌まるのでしょうか。
玉蜀黍の最適な加熱温度と時間の考察
これ迄に学んだ事を振り返り、玉蜀黍と薩摩芋を比べてみると、それぞれの野菜の甘味が形成される仕組みが違うようです。
玉蜀黍は、実(穎果(えいか))の部分に、主に蔗糖、その他に果糖や葡萄糖や麦芽糖が貯まっているので甘い。
薩摩芋は、根(塊根)の部分に、主に蔗糖と麦芽糖、その他に果糖や葡萄糖が含まれているが、未加熱では麦芽糖は殆ど含まれていない為、加熱によって糊化したデンプンにβ-アミラーゼが作用する事により麦芽糖が生成されるので甘い。
と、玉蜀黍は未加熱の状態で既に甘いですが、薩摩芋は加熱しなければ甘くないという違いがあります。
という事は、玉蜀黍はその既にある甘味をいかに逃さないようにするかがポイントのように思われます。
「玉蜀黍はお湯を沸かしてから採りに行け」と言われている所以は、実に貯まっている糖類が、時間経過と共に酵素によりデンプンに変えられ甘味を失ってしまう前に加熱して、酵素の働きを止める事にあると思います。
薩摩芋のように玉蜀黍を低温調理してしまうと、酵素が働きやすい温度を長時間保つことになり、逆に甘味が失われてしまう恐れがあるように思います。
ですので、素早く酵素の働きを止める為に高温で短時間の加熱の方が良いと考えられます。
「玉蜀黍の最適な加熱温度と時間とは?」の答えは、まずは、収穫後から如何に早く加熱するかがポイントです。
実際の加熱温度と時間については、高温で短時間の方が良いと考えられます。
理論上ではこのように導く事が出来ました。
しかし、実際に実践してみてその確証を得たいので、様々な温度で玉蜀黍を加熱し実食してみたいと思います。
玉蜀黍を、70℃、80℃、90℃で10分程、BONIQ(ボニーク)を使い、フイルム袋に入れ湯煎し加熱しました。
茹でるのでなくフィルム袋に入れ湯煎したのは、玉蜀黍の味を逃がさないようにする為です。
茹でるのではどうしても野菜の味がその茹で汁に逃げるように思われます。
写真左から70℃、80℃、90℃で加熱したものです。
玉蜀黍の加熱温度を比較した感想
まず、それぞれの見た目にあまり違いは見られません。
70℃の加熱では、火の通りも感じられつつ、シャキシャキとした食感も残り、ジューシーで甘味を感じ、良いように思ったのですが、冷めると青味やえぐ味を感じてしまいました。
長く火を入れれば青味やえぐ味は無くなるのではと思い、70℃で1時間湯煎してみたのですが、変わらず冷めると青味やえぐ味を感じてしまいました。
80℃の加熱では、シャキシャキとした食感を残しつつ、ジューシーで甘味を感じ、冷めても青味やえぐ味は感じられませんでした。
90℃の加熱では、実の柔らかさを感じ、実離れも良く、甘味もしっかり感じました。
70℃の加熱では、冷めると青味やえぐ味を感じてしまいましたでのであまり良くありません。
80℃と90℃の加熱を比べてみると、甘味という点ではどちらも甘く、どちらの方が甘いという程の違いは感じられませんでした。
しかし、食感という点でみると、80℃の方は生のようなシャキシャキとした食感があり、90℃の方は実の柔らかさを感じ、違いがみられました。
これは、玉蜀黍の実(穎果(えいか))の果皮等の食物繊維(セルロース等)が90℃という温度である程度熱分解が進んだ事によるものと考えられます。
セルロースは,300℃以上の高温度域において急速に熱分解されるが,200℃以下の比較的低温度域においても,ある種の熱分解反応は進行する。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jwrs/61/1/61_1/_article/-char/ja/
では、「玉蜀黍の最適な加熱温度と時間とは?」の答えは何度かというと、
焼き玉蜀黍のように玉蜀黍をそのまま食べる料理の場合、80℃の加熱の方が、生のようなジューシーでシャキシャキとした食感と、生のような青味やえぐ味が無いしっかりと甘味を感じられ美味しいと思います。
コーンスープのように玉蜀黍を加工する料理の場合、90℃以上の加熱の方が、食物繊維が壊れて玉蜀黍の果汁を十分に抽出出来て、しっかりと甘味も感じられ良いのではないかと思います。
理論上で導き出せた「玉蜀黍の最適な加熱温度と時間とは?」の答えと、実際に加熱温度を比較して導き出せた答えを掛け合わせると、「玉蜀黍の最適な加熱温度と時間とは?」の答えは、玉蜀黍をどのように料理するのかによってその温度と時間を変えると良さそうだという事が分かりました。
以上、玉蜀黍の美味しさを最も引き出す調理方法の理論は、ある程度の所迄迫り切れたのではないかと思いますので、次にこれらをもう一度纏めていきます。
玉蜀黍の調理方法(理論編)のまとめ
朝採れ玉蜀黍が甘い理由
玉蜀黍が甘い理由は、実(穎果(えいか))に糖類が貯まっているから。
糖類は、葉で光合成により作られ、実に運ばれ、デンプンやタンパク質の合成の為の材料となる。
糖類が実に運ばれる速さが、デンプン等の合成に使われる速さを上回る場合、糖類の蓄積が起こる。
糖類の蓄積が起こるタイミングは、光合成が行われる前の朝。
玉蜀黍が時間と共に甘くなくなる理由
実(穎果(えいか))に貯められた糖類が、時間経過と共に酵素によりデンプンに変えられてしまう為甘味を失う。
玉蜀黍の最適な加熱温度と時間
80℃の加熱で、生のようなジューシーでシャキシャキとした食感と、生のような青味やえぐ味が無いしっかりとした甘味を感じる為、焼き玉蜀黍のように玉蜀黍をそのまま食べる料理向き。
90℃の加熱で、実離れの良さと柔らかな食感と、しっかりとした甘味を感じ、玉蜀黍の果皮等の食物繊維が壊れ、果汁が抽出し易い為、コーンスープのような玉蜀黍を加工する料理向き。
以上、玉蜀黍の調理方法の理論を纏める事が出来ました。
では次に、この理論を基に実際に玉蜀黍を料理していきたいと思います。
やるならやらねばっ!
玉蜀黍の調理方法(実践編)
玉蜀黍の調理方法
今回用意したのは、なるべく新鮮な朝採れ玉蜀黍を手に入れる為に、私の地元愛知県岡崎市の農産物直売所「ふれあいドーム岡崎」で購入した、岡崎市産の玉蜀黍の味来(みらい)です。
玉蜀黍を下準備する
まずは、食材を調理する前に殺菌します。
玉蜀黍の皮を汚れているものだけ剥き、水で洗い、沸騰したお湯にサッと通して殺菌します。
玉蜀黍を湯煎する
玉蜀黍を湯煎して加熱します。
ポットにお湯を張り、BONIQ(ボニーク)を80℃に設定し、
玉蜀黍をフィルム袋に入れ、BONIQをセットしたポットに入れ加熱します。
時間は本数や大きさにより前後しますが、10~20分に設定します。
浮いてくる場合は落とし蓋をします。
仕上げ
加熱し終わった玉蜀黍です。
すぐに食べない場合は、そのままにしておくと実にしわが寄ってしまう為、熱い内にラップでぴっちり包み、冷蔵庫で保存します。
コーンスープの作り方
今回用意した材料は、玉蜀黍と、牛乳、バター、塩です。
玉蜀黍を下準備する
まずは、玉蜀黍の調理方法と同じように下準備します。
玉蜀黍を湯煎する
玉蜀黍を湯煎して加熱します。
ポットにお湯を張り、BONIQ(ボニーク)を100℃に設定し、
玉蜀黍をフィルム袋に入れ、BONIQをセットしたポットに入れ加熱します。
時間は本数や大きさにより前後しますが、10~20分に設定します。
浮いてくる場合は落とし蓋をします。
玉蜀黍を取り分ける
加熱し終わった玉蜀黍を、実(頴果(えいか))、皮、髭、芯に取り分けます。
この時、実の重量を量っておきます。
後程、この実の重量の半分の量の牛乳を合わせます。
玉蜀黍の皮、髭、芯を牛乳で煮出す
取り分けた玉蜀黍の皮、髭、芯を牛乳で煮出します。
皮、髭、芯にも玉蜀黍の風味があるので、その風味を牛乳に抽出させます。
牛乳の量は、蒸発する分を考えて、後程加える量である、先程量った実の重量の半分よりも多めで煮出します。
玉蜀黍をバターで炒める
実を裏漉しする前に、半分をバターで炒めます。
シンプルな中にも香ばしさと味わいに奥行きを持たせる狙いです。
玉蜀黍をフードプロセッサーに掛け裏漉しする
バターで炒めた実と、そのままの実を合わせ、フードプロセッサーに掛け、牛乳で伸ばし、裏漉しします。
まずは、実をフードプロセッサーに掛け、少しずつ牛乳を加えます。
実が十分に潰れ滑らかになったら裏漉しします。
仕上げ
裏漉した玉蜀黍を鍋に移し、火に掛け、塩で味を調えたら、器に盛り完成です。
美味しそぉ~!
実食
いただきます!
まず、玉蜀黍の鮮やかな黄色に、初夏の季節を思い起こさせます。
そして、玉蜀黍の甘い香りとバターの香ばしさを漂わせ、ヒトの本能である、糖分と脂分の欲求を刺激させます。
本能のまま一口、口に入れると、デザートなのかと思わせるほどの甘味とコクが口いっぱいに広がり、これが自然の甘さなのかと、砂糖を使っていない事に驚かされます。
まさにやめられないとまらない美味しさで、一気に飲み干してしまうのですが、砂糖を使っていない自然の甘さからなのか、爽やかな心地よさが残ります。
コーンスープとは、玉蜀黍の良さを上手く存分に引き出してくれる料理なのだと思い知らされました。
ごちそうさまでした!
まとめ
今回は、玉蜀黍と向き合い、玉蜀黍の美味しさを最も引き出す調理方法を理論的に導き出すべく、
玉蜀黍の基礎知識から学び、朝採れ玉蜀黍が甘い理由、玉蜀黍の最適な加熱温度と時間等を考察し実践する事で、
その理論に基づいた玉蜀黍の調理方法を導き出す事が出来ました。
このブログでは、様々な食材を低温調理し、その効果を実感してきましたので、今回の玉蜀黍も低温調理をする事により甘くなるのかという思いもありましたが、
玉蜀黍が甘い理由と、低温調理がもたらす効果をしっかりと理解する事で、玉蜀黍にとっては低温調理はデメリットをもたらしかねないという事が分かりました。
何故このような調理方法をするのか、その調理方法はどのような仕組みなのか、そしてどのような効果をもたらすのかという事をしっかり理解した上で、その食材の調理に取り掛からないとその食材の美味しさを損ないという事を身をもって実感しました。
今回のコーンスープは、玉蜀黍の素材の美味しさを十分に引き出す事が出来たように思います。
その反面、玉蜀黍の素材の美味しさに頼り切った料理のような想いも抱いてしまいました。
料理としての面白さ、自分らしい料理という面では少し弱いのかもしれません。
このコーンスープの良さを保ちつつ、香辛料を加えてみたり、このコーンスープを活かして、他の料理と掛け合わせてみたりしても面白いかもしれません。
自分らしさを出しつつ、その食材の素材本来の美味しさを活かした料理を作る事が今後の課題だと思いました。
自分らしさ!
第6回 かわののブログ
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