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【砂糖の研究②】料理に最適な砂糖とは?人工甘味料の基礎知識を学びます!

ノンシュガー-料理理論の研究



砂糖は料理に甘味をもたらします。
お菓子、デザートなどに砂糖は欠かせません。

太陽の光、その光を取り込んだ植物は糖を作ります。
地球上で最初に作られるエネルギー、それが糖のようです。

全世界での砂糖の年間生産量は約1億7925万tだそうです。(2019/2020年度見込み)

ひとえに砂糖といえど、その原料、製造法や特徴によりさまざまな名称の砂糖が市場に出回っています。

その中から、料理に最適な砂糖とは、料理によっての砂糖の選び方とは、どのように選べばいいのでしょうか。

まずは、砂糖そのもののことを知らなくては、どう選べばいいのかわかりません。

ということで、前回の記事で、砂糖の基礎知識を学びました。



前回の記事で、砂糖の基礎知識は学びましたが、
今回は、砂糖の基礎知識を学んだ中ででてきた、砂糖以外の甘味料のことについて学びたいと思います。



その上で、記事を分け、別の記事で
理論的に、さまざまな種類の砂糖は何が違うのかを見極め、その違いが料理にどのような違いを生むのか、というのを考え、
料理に最適な砂糖、料理によっての砂糖の選び方、といったものに、実際にさまざまな種類の砂糖を食べ比べながら、せまりたいと思います。

河野裕輔
河野裕輔

甘~~い!



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甘味料の基礎知識

甘味料の種類

砂糖以外にも食品に甘味をつけるために使われる調味料があります。
砂糖以外の甘味料は、糖質系甘味料と非糖質系甘味料に分けられます。

この画像には alt 属性が指定されておらず、ファイル名は 000138203.gif です
https://sugar.alic.go.jp/japan/fromalic/fa_0707c.htm



ここでは、一般によく知られた砂糖以外の甘味料について学びたいと思います。



糖質系甘味料の種類

糖質系甘味料は、天然にも存在しますが、食品に利用しているほとんどのものは、天然の素材を原料に用い、酵母などの微生物を利用する発酵法、微生物から取り出した酵素を用いる合成法、化学合成による方法などにより人工的に作られるものが多いです。
糖質系甘味料には、デンプンに酸や酵素を作用させて製造されるものや、糖質に水素を添加(還元)し、化学的に安定させた糖アルコールなどがあります。



水飴とは?

水飴

水飴は、デンプンを酸や糖化酵素で糖化して作られた粘液状の甘味料。ブドウ糖、麦芽糖、デキストリンなどの混合物で、主成分は酵素糖化水あめや麦芽水あめでは麦芽糖である。
古くは、玄米を発芽させ、玄米中の糖化酵素を利用して製造されていた。時代が下ると、発芽玄米より効率の良い麦芽が糖化酵素の供給源として利用されるようになり(麦芽水飴)、現在では、デンプンにシュウ酸を加え、加水分解した酸糖化水あめ、でん粉を酵素により加水分解した酵素水あめも製造されている。 シュウ酸は有毒なうえ酸味があるので、炭酸カルシウムを加えて水に不溶なシュウ酸カルシウムとしたのち、濾過して取り除く。 酵素糖化水あめはブドウ糖が多く甘みが強い。 還元水飴というものもあるが、これは水飴を加工した糖アルコールを主成分とする甘味料であり、水飴ではない。酸糖化法で製造された水飴は、無色透明でほぼ水分と糖質しか含まないが、麦芽水飴は原料に由来するミネラル分がわずかに含まれ風味を有し、蜂蜜に似た琥珀色をしている。この色が飴色の由来である。発祥については、酒作りのためにデンプンを糖化したものを、有史以前より製造していたと見られており、日本では京都が発祥とする説もあるが、詳しい経緯や場所は今も不明である。
飴としてそのまま食べるほか、調理材料として広範に利用される。砂糖が日本に伝来する前には主要な甘味料として利用されていたが、今でも和菓子では甘味料のひとつとして使われている。砂糖の結晶化を阻害する性質があるため、糖分濃度の高い食品に添加することで、滑らかな口当たりを保つ事が出来る。また、和菓子のつや出しや、保湿目的で使われることもある。マクロビオティックでは砂糖の代わりに甘味料として使われることが多く、海外での需要も高まっている。照り焼きのてり出しにも使われる。昭和40年代頃まで盛んに行われていた街頭紙芝居には水飴が付き物で、子供たちが水飴を割り箸で攪拌して遊びながら、おやつとして食べていた。南部煎餅に水飴を挟んだものは「飴せん」として知られている。
もち米を原料とした麦芽水飴を乾燥して粉末にした漢方薬の膠飴(こうい)は、滋養強壮作用・健胃作用などがあるとされている。

https://ja.wikipedia.org/wiki/水飴



水飴が結晶化しにくく、砂糖の結晶化を阻害する理由

マルトース水溶液を冷却すると結晶化するが、水飴を冷却しても結晶化しない理由はなんですか?水飴にはマルトース以外にもグルコースやデキストリンが含まれているので、これらの成分が関与しているのではないかと思うのですが、原理がわかりません…

そのとおりです。マルトース以外~多成分の混合物は、一般に結晶にはなりません。

多成分の混合物が結晶化しない理由も教えていただけないでしょうか?

結晶化しない、とは必ずしも言えません。事実、混合物から再結晶によって位置成分を取り出すことができる「場合」もあります。しかし、一般にはうまくいきません。結晶化というのは、同じ物質が堆積しながらキレイな結晶構造を作ることです。多成分、しかも水飴のように、似たような糖の混合物では、とてもでないですが、ある位置成分(たとえばブドウ糖)のみがキレイに結晶化するのは無理です。



異性化糖とは?

異性化糖

日本の食品の原材料名でよく果糖ブドウ糖液糖やブドウ糖果糖液糖と表記される。ブドウ糖と果糖のどちらが多く含まれているかで、名前の順序が違う。
異性化糖はとうもろこしやじゃがいも、さつまいもなどに含まれるデンプンから作られる。デンプンを分解してブドウ糖にした後、ブドウ糖の一部を酵素で果糖に変換(異性化)して異性化糖は作られる。植物は光合成によってブドウ糖をつくり、デンプンの形で養分を蓄える。なので、その逆にデンプンを加水分解すればブドウ糖に戻せる。ただ、ブドウ糖は砂糖の7割程度の甘みしかないので、酵素の力を借りてブドウ糖の一部を甘みの強い果糖に変えている。
砂糖やブドウ糖の甘味は温度によってさほど変化しないのに対し、果糖は冷やした方が甘みを強く感じることから、清涼飲料水には果糖を多く含んだ「果糖ぶどう糖液糖」がよく使われる。
異性化糖は、日本の研究者が、砂糖の代替として、1960年代後半、世界に先駆けて大量生産の道を開いた。当時キューバ革命により砂糖を輸入できなくなった米国の大手清涼飲料メーカーがこれに着目して、世界的に売り出した結果、広く普及するようになった。



トレハロースとは?

トレハロース

トレハロースとはグルコースが1,1-グリコシド結合してできた二糖の一種である。1832年にウィガーズがライ麦の麦角から発見し、1859年、マルセラン・ベルテロが象鼻虫(ゾウムシ)が作るトレハラマンナ(マナ)から分離して、トレハロースと名づけた。
高い保水力があり、食品や化粧品に使われる。抽出が難しく高価だったが、デンプンを素材とした安価な大量生産技術が岡山県の企業林原によって確立され、さまざまな用途に用いられている。

・食品
和・洋菓子、パン、惣菜、水産加工品、畜産加工品、レトルト食品、冷凍食品、飲料などの加工食品から中食、外食、家庭での調理まで様々な食品で使用されている。これはトレハロースがさっぱりとした上品な甘味を呈すること、食品の三大栄養素である炭水化物、タンパク質、脂質に対して品質保持効果を発揮すること、また強力な水和力により乾燥や凍結からも食品を守り食感を保つこと、矯味矯臭効果により苦味や渋味、えぐ味、生臭み、けもの臭、レトルト臭などを抑えるなど多様な作用による複合的効果が期待できるためである。
キャラメル化が起こりにくいので焼き色を抑えるのに利用する。

・化粧品
保水力を活かし保湿成分として各種の基礎化粧品や入浴剤、育毛剤に使用されている。

・医薬品
組織やタンパク質の保護作用を活かして臓器移植時の臓器保護液など。

・その他
クールビズや防臭効果をうたった繊維、切花延命剤、抗菌シート、昆虫の栄養剤など多分野に及ぶ。



オリゴ糖とは?

オリゴ糖

炭水化物は、私たちが生きていく上で、エネルギー源として欠くことができない栄養素の一つです。炭水化物は、その大きさにより3種類に分けることができます。最も小さい炭水化物の代表がブドウ糖や果糖で、単糖類と呼ばれます。この単糖類が数十~数千個つながったものは多糖類と呼ばれ、身近なものにデンプンや寒天、食物繊維などがあります。オリゴ糖とは、単糖類が2から10個つながったものを指します。オリゴ糖の「oligo」は、「少ない」という意味のギリシャ語が語源の言葉です。食品に含まれる炭水化物の仲間をまとめると、表1のように様々なものがあります。オリゴ糖の定義では、おなじみの砂糖や麦芽糖などもオリゴ糖の仲間になります。本節ではビフィズス菌を増やす働きのあるものをオリゴ糖として、お話しを進めます。

表1 食品に含まれる炭水化物の主な種類

表1
https://sugar.alic.go.jp/tisiki/ti_0410.htm

ビフィズス菌を増やすオリゴ糖の研究は、母乳から生まれました。母乳を飲んでいる赤ちゃんの腸内にはビフィズス菌がたくさんいるのに対して、粉ミルクで育った赤ちゃんには大腸菌が多く、下痢などの病気になりやすく死亡率が高いことが問題となっていました。そこで、ビフィズス菌を増やす成分の研究が行われました。いくつかの成分が候補に挙がりましたが、1950年代後半に母乳にはビフィズス菌のエサとなる炭水化物の量が粉ミルクよりも多いことが分かりました。このエサとして注目されたのがオリゴ糖で、粉ミルクにオリゴ糖を加えることで、乳児のビフィズス菌を増やすことに成功したのです。その後の研究で、乳児だけでなく、大人がオリゴ糖を摂取しても効果が高いことが分かりました。ビフィズス菌は炭水化物が大好きで、大腸にはエサになるものが少ないので、いつもお腹を空かして、オリゴ糖が来るのを待っているわけです。現在の粉ミルクには、十分な量のオリゴ糖が配合されているので、腸内のビフィズス菌の数は、母乳栄養の場合と変わらなくなりました。

表2 現在販売されているビフィズス菌を増やす効果のあるオリゴ糖

表2
https://sugar.alic.go.jp/tisiki/ti_0410.htm

ビフィズス菌を増やす効果のある代表的なオリゴ糖を表2に示しました。作り方や原料にそれぞれ特徴があります。作り方には、(1) 微生物の酵素の働きを利用してショ糖(砂糖)や乳糖、デンプンを原料に合成する方法、(2) 植物の多糖類を酵素の作用により分解する方法、(3) アルカリ条件で糖を異性化する方法、(4) 植物に含まれるオリゴ糖を抽出する方法、の4種類あります。
市販されているオリゴ糖の多くは、技術・コスト的に純度を高めることが難しいため、主に液状品として流通しています。甜菜から作られるラフィノースは、液状品のほか、純度の高い結晶粉末として作られており、食品用途以外にも移植臓器の保存性向上剤として、医療用レベルの品質で供給されています。
これらのオリゴ糖は、私たちが日常食べている穀類や野菜、果物、ヨーグルトや味噌などの発酵食品にも含まれています。また、ここに挙げたオリゴ糖の多くは、小腸でほとんど消化吸収されないので血糖値の高い方でも心配ありません。それではカロリー値はゼロと思われるかもしれませんが、デンプンや砂糖の半分あります。ビフィズス菌がオリゴ糖を食べると酢酸や乳酸を出し、これが吸収されてエネルギーになるためです。実は、ビフィズス菌の出す酸の働きで、私たちの腸はとても健康な状態に保たれます。一方、ビフィズス菌は食物繊維をあまり栄養にすることはできません。食物繊維の整腸効果は、主に腸で体積が膨らむことと、酸の作用で便通が良くなるものなので、オリゴ糖と組み合わせるとさらに効果が期待できます。



蜂蜜とは?

蜂蜜

蜂蜜とは、ミツバチが花の蜜を採集し、巣の中で加工、貯蔵したものをいう。約8割の糖分と約2割の水分によって構成され、ビタミンとミネラル類などの栄養素をわずかに含む。味や色は蜜源植物によって様々である。
糖分のほとんどはグルコース(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)で、少量のオリゴ糖とスクロース(ショ糖)、さらにデキストリンも含まれる。
蜂蜜の甘味度は、採集された花の種類によって若干差があるものの、同重量のスクロースとほぼ同じとされる

日本において、はちみつ類の表示に関する公正競争規約によって品質が決められている。
・純粋はちみつ:みつばちが植物の花みつを採集し、巣房に貯え熟成した天然の甘味物質。
・精製はちみつ:純粋はちみつから臭い、色等を取り除いたもの。
・加糖はちみつ:純粋はちみつに異性化糖液その他の糖類を加えたものであって、純粋はちみつの含有量が重量百分比で60パーセント以上のもの。
※ 採蜜源の花名:はちみつに採蜜源の花名を表示する場合には、当該はちみつのすべて又は大部分を当該花から採蜜し、その花の特徴を有するものであって、かつ、採蜜国名を表示しなければならない。
※ 採蜜国名表示:原料蜜のすべてが国内で採蜜されたものでなければならない

https://ja.wikipedia.org/wiki/蜂蜜



糖アルコールとは?

糖アルコール

糖アルコールは、還元基を有する糖類にニッケル触媒を使用し、高温高圧下で水素を反応、還元して製造(接触還元)されたもので、ソルビト-ル(ソルビット)、マルチト-ル、還元水飴のような鎖状多価アルコ-ルの総称です。
接触還元(水素添加)は油脂を硬化してつくるマ-ガリン、ショ-トニングの製造法として古くから知られています。
国内では1942年にビタミンCの製造原料であるソルボ-スの原料としてソルビト-ルが本格的に製造されました。
更に終戦後、医薬品、食品のみならず工業用原料としての用途が開拓され、新しい食品素材としてのソルビト-ル、マルチト-ル、還元水飴が製造されるようになりました。
これら糖アルコ-ル類は爽やかな甘味を有し、保湿性、耐熱性やメイラ-ド反応(アミノ酸との加熱による褐変反応)を起こし難いなどのすぐれた性質から加工食品の素材として利用されるようになりました。
また、その後、パラチニット、ラクチト-ル、キシリト-ル、エリスリト-ルなどの糖アルコ-ルが開発され、近年、これら糖アルコ-ル類の低エネルギ-性、非う蝕性(虫歯の原因になりにくい)などの生理的特性が確認され利用されてきています。

表 主な糖アルコールの種類と原材料

原材料糖アルコ-ル原材料起源
ぶどう糖エリスリト-ル(醗酵法) 澱粉
キシロ-スキシリト-ルキシラン(樺の木など)
ぶどう糖ソルビト-ル澱粉
果糖(フラクト-ス)マンニト-ル蔗糖など
麦芽糖水飴(マルト-ス)還元麦芽糖水飴(マルチト-ル)澱粉
パラチノ-スパラチニット蔗糖
乳糖(ラクト-ス)還元乳糖(ラクチト-ル)ホエ-(乳清)
分岐オリゴ糖還元分岐オリゴ糖澱粉
直鎖オリゴ糖還元直鎖オリゴ糖澱粉
低糖化水飴低糖化還元水飴澱粉
高糖化水飴高糖化還元水飴澱粉



非糖質系甘味料の種類

非糖質系甘味料は、糖質系甘味料と同様に、天然の素材から取り出したもの、原料に天然の素材を用い、人工的な手法で改変することで作った天然甘味料と、化石系の原料をもとに化学合成された人工甘味料があります。



天然甘味料とは?

天然甘味料

植物の葉や果実などに含まれている甘味成分を抽出した甘味料である。ステビアのほか甘草(グリチルリチン)、羅漢果などがある。



人工甘味料とは?

人工甘味料

化学合成により作られる高甘味度甘味料で、低カロリー甘味料として使用される。食品衛生法に基づく指定添加物である。アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムK、サッカリン、サッカリンナトリウムがある。



アスパルテームとは?

アスパルテーム

アスパルテームは、アスパラギン酸とフェニルアラニンの2種類のアミノ酸を縮合させて製造されるアミノ酸系甘味料で、1965年に米国で開発された。
カロリーは砂糖と同じ1グラム当たり4キロカロリーであるが、甘味度は砂糖の200倍であるため、カロリーを低減することができる。また、特性として、 1)苦みが少なく砂糖に似た甘味をもち、後味がすっきりしている 2)コーヒーや医薬品などの苦みを隠す効果や、フルーツフレーバーの風味増強効果がある 3)たんぱく質の成分であるアミノ酸からできているため歯垢形成を起こさず、虫歯の原因になりにくい(非う蝕性) 4)砂糖と比較し、吸湿、軟化しにくい-などが挙げられる。
食品添加物の安全性評価を行う国際機関である、FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(FAO/WHO Joint Expert Committee on Food Additives、以下「JECFA」という)が、1日当たりの摂取許容量(以下「ADI」という)を体重1キログラム当たり0~40ミリグラムと設定している。わが国では、1983年に食品添加物として指定を受けているが、使用基準は設定されていない。



アセスルファムカリウムとは?

アセスルファムカリウム

アセスルファムカリウムは、酢酸由来のジケテンと酸性洗浄剤などとして利用されているスルファミン酸を合成反応させた後に、三酸化硫黄を反応させ、水酸化カリウムで中和、結晶化したもので、1967年にドイツで開発された。
甘味度は砂糖の200倍であり、カロリーは1グラム当たり0キロカロリーである。特性として、 1)甘みを速く感じ、後味のない甘味を持つが、特有の苦みを感じる場合がある 2)熱や酵素に対し安定性が高く、水溶液中でも安定性が高い 3)水溶性が高い 4)アスパルテームなどの他の甘味料との併用によって、砂糖に近い甘味となる 5)虫歯の原因になりにくい-などが挙げられる。
JECFAにおいて、ADIを体重1キログラム当たり0~15ミリグラムと設定している。わが国では、2000年に食品添加物として指定を受けており、使用食品ごとに使用基準が設定されている(表1)。

 
https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_000878.html



スクロースとは?

スクロース

スクラロースは、砂糖を原料とする甘味料である。砂糖の3カ所の水酸基を選択的に塩素原子に置換することにより生成され、1976年に英国で開発された。
甘味度は砂糖の600倍であり、カロリーは1グラム当たり0キロカロリーである。特性として、 1)砂糖に近いまろやかな甘味をもつ 2)熱や酸に強く、水などに溶けやすい 3)虫歯の原因になりにくい-などが挙げられる。
JECFAにおいて、ADIを体重1キログラム当たり0~15ミリグラムと設定している。わが国では、1999年に食品添加物として指定を受けており、使用食品ごとに使用基準が設定されている(表2)。

 
https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_000878.html



サッカリンとは?

サッカリン

1878年にジョンズ・ホプキンス大学のコンスタンチン・ファールバーグとアイラ・レムセンが、レムセンの研究室でコールタールの研究中に偶然発見した。1884年にファールバーグがサッカリンと名づけ、レムセンに無断で数か国で製造法に関する特許を取得した。ファールバーグはこれによって富を得たが、レムセンは自分の研究室で発見された化合物に対する権利を持つはずだと考え、激怒した。
発見されてまもなく商用化され、第一次世界大戦が始まって砂糖が不足すると急速に普及したうえ、1960年代から1970年代にはダイエットへの有効性が認識され、広く使われるようになった。アメリカ合衆国では「Sweet’N Low」などのブランド名で市販され、レストランではピンクの袋に入って置かれていることが多い。1963年から発売開始されたコカ・コーラ社のタブなど、ダイエット飲料にも用いられている。
水溶液はショ糖の350倍あるいは200–700倍の甘味と、痺れるような刺激の後味を持つ。ただし、高濃度では苦味を感じるため、糖類系の甘味料に混合されて使用されることも多い。また、これ自体はほとんど水に溶けないため、チューインガムにのみ使われており、通常は水溶性のナトリウム塩(サッカリン酸ナトリウム)としていろいろな加工食品に用いられる。なお、旧厚生省はサッカリン酸ナトリウムを天然に存在しない添加物に分類している。
かつては発癌性への懸念(後述)などから、日本の加工食品ではスクラロース・アセスルファムカリウム・アスパルテームなどにほぼ取って代わられたが、歯磨き粉には多く使用されている。
1960年代に行われた動物実験で雄ラットに膀胱癌の発生が見られたため(雌では見られず)、サッカリンには弱い発癌性があると考えられ、一度は使用禁止になった。しかし、その後にサルも含めてさまざまな動物で試験が行われ、他の動物では発癌性は示されなかった。見直しを受けた現在では、発癌性物質リストから削除されている。また、コーエンらによってサルに24年間サッカリンを投与し続けた試験の結果が発表されたが、この実験においてサッカリンが原因と見られる異常は発見されなかった。
現在、アメリカ合衆国や中華人民共和国などにおいては大量に使用されているが、日本においては安全性維持のために食品衛生法によって各食品への使用量が制限されており、外装にその旨と使用量が記載されている。



砂糖以外の甘味料の特性

砂糖以外の甘味料を使用する主な目的としては、次のような機能を持つことが挙げられます。
砂糖以外の甘味料の全てが、次のような機能を全て持っているわけではありません。
それぞれの砂糖以外の甘味料に、それぞれの機能を持っています。

砂糖以外の甘味料の特性

・低カロリー

・低齲蝕うしょく

・腸内環境の改善

・味質の改良

・耐熱・耐酸・耐アルカリ性



・低カロリー

体内で消化されにくく、結果として摂り込まれるエネルギーが少なくなる性質を利用したもの(オリゴ糖、糖アルコール)や、砂糖に比べて非常に高い(数百倍)甘味度を持ち、使用量が少ないため結果的に低カロリーの機能を持つことになるもの(非糖質系甘味料)がある。
体内で消化されにくいものの場合には、多量に摂取すると緩下作用があり、お腹が緩くなる場合がある。これは、糖質が胃や小腸で消化されずに大腸に到達し、乳糖不耐症の場合と同様に大腸内の浸透圧が高くなるためと考えられている。



・低齲蝕うしょく

口腔内細菌は、砂糖を消化して、歯垢の原因となる物質や歯のエナメル質を溶かす酸を作るため、砂糖は虫歯の原因の一つになるとされている。これに対し、オリゴ糖や糖アルコール、非糖質系甘味料には、口腔内細菌によって利用されない、あるいは、されにくい性質を持つものが多く、「虫歯になりにくい」機能を挙げたチューインガムやキャンディなどに使用されたり、歯磨き剤に使用されたりしている。



・腸内環境の改善

人間の腸内には、健康に有効な役割を果たす「善玉菌」(乳酸菌、ビフィズス菌など)と有害物質を作って下痢や便秘などを引き起こす「悪玉菌」が存在するが、オリゴ糖は善玉菌であるビフィズス菌の増殖を促進して、腸内の細菌バランスの改善を図る特性を持つ。



・味質の改良

非糖質系の高甘味度甘味料の一部は、食品の塩味を和らげる特性(塩なれ効果)や後引きのないソフトな味質特性を持ち、漬物、珍味、味噌、醤油といった塩味食品や清涼飲料、冷菓などに使用される。



・耐熱・耐酸・耐アルカリ性

耐熱・耐酸・耐アルカリ性により、メイラード反応による着色が少ない。



甘味料と健康

甘味料と健康、特に人工甘味料と健康について、巷ではさまざまな情報が蔓延しています。
この蔓延している情報をまとめて整理し、真否を検証していきたいと思います。

しかし、本当に情報が蔓延し過ぎているため、現時点で私自身が納得できる情報のみをここに述べていきたいと思います。

ですので、人工甘味料と健康について、現時点で全ての情報の真否を検証できていませんので、私自身が納得できる情報の真否を検証でき次第、随時ここに追記して述べていきたいと思います。



まずは、独立行政法人農畜産業振興機構のサイトに、「人工甘味料と糖代謝」という調査報告が掲載されており、こちらに人工甘味料と健康についての信頼できる情報が述べられていましたので、こちらを参考にさせて頂きます。



人工甘味料が血糖値に及ぼす影響

人工甘味料を摂取しても血糖値は上昇しません。

でん粉や砂糖を摂取した際は、消化管で単糖(ブドウ糖、果糖)まで分解されてから吸収される。吸収されたブドウ糖は血管内に入り血糖値が上昇する。血糖値の上昇により膵臓からインスリンが分泌され、インスリンの働きにより血液中のブドウ糖が肝臓や筋肉に取り込まれることで、血糖値は元に戻る。インスリンによるブドウ糖の取り込みは脂肪細胞でも行われ、脂肪細胞に取り込まれたブドウ糖は脂肪に変換され蓄積される。従って、食後の血糖値の上昇が大きいと、インスリン分泌の増加により脂肪蓄積が進み太りやすくなるとともに、インスリンの分泌増加は膵臓への負担となり糖尿病を発症しやすくなる。このことから、血糖値が上昇しにくい炭水化物を選ぶ「低インスリンダイエット」や、糖質 そのものの摂取量を控える「低糖質ダイエット」など、食後の血糖値やインスリン値を意識した食事が肥満や糖尿病の予防や治療に有用と考えられている。
一方で、人工甘味料にはブドウ糖は含まれないため、人工甘味料を摂取しても血糖値は上昇しない。実際に、健常人にブドウ糖、果糖、または3種類の人工甘味料(アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース)のいずれかを投与して血糖値、インスリン値の反応を比較検討した報告では、ブドウ糖を投与したときは、血糖値、インスリン値はともに上昇したが、人工甘味料を投与したときは、血糖値、インスリン値ともに上昇は認められなかった。



人工甘味料が糖尿病に及ぼす影響

人工甘味料の代表的な摂取源であるダイエット清涼飲料水で糖尿病は予防できません。

人工甘味料の代表的な摂取源であるダイエット清涼飲料水について、習慣的な摂取量と糖尿病発症との関連を検討した。富山県の金属製品製造業事業所の従業員を対象に、2003年に栄養調査を行い習慣的なダイエット清涼飲料水の摂取量を調査した。このうち糖尿病のない35~55歳の男性2037人について、毎年の健康診断の結果を追跡して糖尿病発症を確認した。2010年までの7年間で新規に170人が糖尿病を発症した。2003年のダイエット清涼飲料水の摂取量と糖尿病発症との関連を検討すると、ダイエット清涼飲料水を週に1カップ(237ミリリットル)以上飲む人は、飲まない人と比べて糖尿病発症の危険が1.7倍高かった。
ダイエット清涼飲料水の摂取量と糖尿病の発症を観察した研究は欧米でもいくつか報告されているが、ダイエット清涼飲料水の摂取量が肥満と独立して糖尿病発症と関連を認めた、という報告と、関連は認めるものの肥満を考慮すると関連はなかった、という報告とがあり、結果は一様ではない。実際に、もともと糖尿病になりやすい肥満者がダイエット清涼飲料水を好んで摂取している可能性はあるので、結果の解釈には注意が必要である。しかし、近年になり、人工甘味料の血糖値を介さない糖代謝への影響についていくつかの可能性が報告されており、ダイエット清涼飲料水の摂取が糖尿病のリスクを高めるメカニズムについても明らかになりつつある。



人工甘味料が味覚に及ぼす影響

本来、日常の食事の中では、甘味の感覚に続いて血糖値が上昇することが条件付けされているが、人工甘味料の場合は甘味の後に血糖値の上昇が起こらないため、エネルギーの恒常性が崩れ、脳の反応を介して摂食行動などが促進され、むしろ太りやすくなります。
また、人工甘味料の強い甘味に慣れると、甘味に対する感覚が鈍麻し、より甘い糖質を多く摂取する可能性もあります。

人工甘味料が血糖値の上昇もなく熱量も無視できる程度であるにもかかわらず肥満や糖尿病と関連する理由として、これまでは、人工甘味料の利用による節減エネルギーを過大評価したり、摂取エネルギーを節減できたことに安心したりすることで、余分に食べ過ぎてしまうのではないか、という心理的な理由が考えられていた。しかし近年、人工甘味料の味覚に及ぼす生理的な反応が摂食行動に影響を与える可能性が報告されている。本来、日常の食事の中では、甘味の感覚に続いて血糖値が上昇することが条件付けされているが、人工甘味料の場合は甘味の後に血糖値の上昇が起こらないため、エネルギーの恒常性が崩れ、脳の反応を介して摂食行動などが促進され、むしろ太りやすくなる、というものである。また、人工甘味料の強い甘味に慣れると、甘味に対する感覚が鈍麻し、より甘い糖質を多く摂取する可能性もある。最近では、味覚を感じる細胞が舌だけでなく腸管に存在することも明らかになり、腸管で甘味を感じると、腸から分泌されるインクレチンというホルモンがインスリン分泌を促進したり、腸からの糖の吸収が促進されたりすることが報告され、腸管での味覚刺激が糖代謝に影響する可能性も考えられている。



人工甘味料が腸内細菌に及ぼす影響

人工甘味料が腸内細菌そう(腸内フローラ)を変化させ耐糖能異常を生じさせます。

(注)耐糖能とは血糖値を正常範囲に保つ能力のことであり、糖尿病ほどではないが血糖値が正常よりも高い状態を耐糖能異常という。耐糖能異常があると、将来糖尿病に進展する危険が高く、また耐糖能が正常の者よりも動脈硬化が進行しやすい。耐糖能異常や軽度の糖尿病状態では空腹時よりも糖負荷後に血糖値が上昇しやすいので、耐糖能の評価には糖負荷試験が重要である。

人工甘味料による糖代謝の影響を考える上で重要視されているのが腸内細菌叢(腸内フローラ)である。マウスにブドウ糖または人工甘味料の一つであるサッカリンを投与すると、サッカリンを投与されたマウスでは、糖負荷試験で耐糖能異常(注)を認めた。サッカリンを投与されたマウスとブドウ糖を投与されたマウスを比較すると、両者では異なった腸内細菌叢の分布を示した。また、サッカリン投与マウスの耐糖能障害は抗生剤を投与すると改善すること、サッカリン投与マウスの腸内細菌叢やサッカリン存在下に培養された腸内細菌を無菌マウスへ移植すると耐糖能障害を引き起こすこと、ヒトにおいてもサッカリン投与により耐糖能異常を認めたものでは投与前後で腸内細菌叢の変化を認め、投与後の腸内細菌叢をマウスに移植することで耐糖能異常を引き起こすこと、などの結果から、サッカリンによる腸内細菌叢の変化により耐糖能異常が生じていると考えられた。機序としては、サッカリン投与により腸内細菌のグリカン分解経路が活性化し、 それに伴いエネルギー吸収の増加につながる短鎖脂肪酸が腸管内に増加することが示され、そのことが耐糖能異常を誘発したと考えられている。



砂糖以外の甘味料を料理に使うことについて

これまで、砂糖以外の甘味料の基礎知識を学んできました。

その上で、料理に携わる者として、私は甘味料とどのように向き合えばいいのでしょうか。

現時点では、砂糖以外の甘味料は、わざわざ料理で使うメリットは無いと考えています。

特に人工甘味料については、使用を避けた方がいいように思います。
甘味料と健康の節で挙げたように、人工甘味料には健康に被害を及ぼす可能性があります。
その部分が明確に否定されない限り、お客様に料理を提供する側の者が使う理由がないように思います。

その他の砂糖以外の甘味料についても、そもそも手に入りにくいものです。

ただし、天然甘味料は、その珍しさもあり、料理、デザートに使うことは面白いかもしれません。

加えて、トレハロースは、料理やデザートに甘味を加えるという目的ではなく、その保水力を生かし、例えば肉のステーキに振り掛け、その肉汁の流出防止に使うという方法もあるようです。

河野裕輔
河野裕輔

引き続き検討してまいります!



まとめ

前回、料理、お菓子、デザートなどに欠かせない砂糖と向き合い、
その原料、製造法や特徴によりさまざまな名称の砂糖が市場に出回ってる中から、
料理に最適な砂糖、料理によっての砂糖の選び方を確立すべく、砂糖の基礎知識を学びました。

今回は、砂糖の基礎知識を学んだ中ででてきた、砂糖以外の甘味料のことについて学びました。

人工甘味料というと、その名前だけで体に悪いものというイメージを抱いてしまいますが、正しく理解し、正しく恐れ、正しく選択することが大切だと思い、今回、人工甘味料と向き合いました。
しかし、いざ向き合ってみると、その情報の多さに惑わされてしまいます。
どの情報が正しくて、どの情報が間違っているのか、その見極めはとても難しいものです。
私がブログの料理研究記事をまとめる時、参考にしている情報は、まずその情報に矛盾がないこと、そしてその情報に根拠があることを見極めて、その情報を参考にさせて頂いています。
それでも、例えばあるひとつの情報をA側からみた見解と、B側からみた見解とでは、その両方の意見が根拠があるにも関わらずその見解が正反対の場合もあります。
その場合は、A、Bそれぞれの根拠となるものの見極めもしなければなりません。
A、Bそれぞれの見解に有利になるような良いとこどりの根拠という場合も多々あるように感じます。

この人工甘味料というものが比較的新しいものなので、まだ解明されていない部分も多いようで、このことがさらに情報の見極めを困難にさせます。

しかし、ある程度の人工甘味料の基礎知識は学ぶことができたと思います。
その上で、料理に携わる者として私は人工甘味料とどのように向き合えばいいのかというのも、ある程度の見解を示すことができたと思います。
ですが、まだまだ勉強不足だとは思いますので、随時、新たな知識、有用な知識を学び次第更新していきたいと思います。

砂糖の研究についての記事は3本に分けてせまります。
前回の砂糖の基礎知識の記事、今回の砂糖以外の甘味料の基礎知識の記事、
そして、次回の記事ではいよいよ、実際にさまざまな種類の砂糖を食べ比べながら、料理に最適な砂糖、料理によっての砂糖の選び方を確立したいと思います。



こうして、いずれ開く店への道のりが、また一歩踏み出されたのです。

河野裕輔
河野裕輔

26歩目!

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