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【卵の研究】プリンが固まる仕組み?固まる温度とは?流行の固めプリンを作ります!

プリン-料理方法の研究



私はこのブログを少しでも多くの方に見て頂こうと、Instagramに料理の写真を載せて、様々な方と交流したいと思い、SNSを活用しています。
本当に色々な方と交流出来ますが、料理の写真を載せていますので、交流する方も自然と料理好きの方が多くなっていきます。
Instagramを見ていると、皆さんの美味しそうな手料理や、人気のお店のお料理等々、見ているだけでとても楽しく勉強になります。

そんな中、近頃Instagramを見ていると、流行りのデザートとして「固めプリン」とか「昔風プリン」とか「純喫茶風プリン」という言葉と、お皿にピンッと自立しているプリンの画像をよく目にします。

プリンといえば、Pastel(パステル)さんの「なめらかプリン」をはじめ、コンビニスイーツで並べられているプリンもなめらかなものが主流だったかのように思います。

ところが、ここ最近では、街で人気のカフェでも提供されているプリンは固めのものが多いように思います。
そもそも私が子供の頃は、今でいう昭和風の固めのプリンしかなく、パステルさんの「なめらかプリン」が登場した時は、プリンの革命とも言わんばかりの衝撃を子供ながらに受け、感動した事を覚えています。
ファッションの流行もそうですが、流行は繰り返すものなのでしょうか。
Instagramには、本当に沢山の固めプリンの美味しそうな写真が出回っていますので、見ていると私も作りたくなってきました。
という事で今回の記事では、私もこの流行に乗り遅れない為にも、固めプリンの自分なりのレシピを作り上げていきたいと思います。

プリンの基本的な材料は、卵、牛乳、砂糖といたってシンプルなものなので、家庭でも気軽にでき、ネットでレシピを調べてみると、本当に沢山の様々なレシピが出回っています。
シンプルが故に、その配合比率や、その他の材料を加える事で、プリンというデザートは様々な顔を見せてくれるようです。
それこそ、固めのプリンから、なめらかなプリン迄といった幅広い顔です。

という事で、ネットで出回っているプリンのレシピを参考にし作ってみて、そこから色々試行錯誤し、自分なりの固めプリンのレシピを作り上げていこうと思います。

河野裕輔
河野裕輔

プッチンパポペ♪エ~ブリハディ♪プリン♪プリン♪



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固めプリンの作り方(理論編)

まず、実際にプリンを作る前に、そもそも、何故プリンは固まるのでしょうか。
そこが理解出来れば、固めプリンを作る為の要点が見えてきそうです。


プリンが固まる仕組みとは?

プリンの基本的な材料は、卵、牛乳、砂糖ですので、ゼラチンや寒天やアガーといった凝固剤を使わずに固めています。
ネットで調べてみると、プリンが固まる仕組みについて、大学教授が解説しているサイト記事がありましたので、見させて頂き学んでいきます。

プリンやゼリーが固まるのはなぜ?

水分は閉じ込められているだけ

魚や肉の煮汁を放っておくと、やがて冷えてトロンとした固まりになることがあります。いわゆる「煮凝り(にこごり)」と呼ばれるものです。また、スイーツのプリン(インスタントタイプ)やゼリーも冷やすと固まります。これはなぜでしょう。
魚や肉にはコラーゲンというタンパク質が含まれています。これが煮汁に溶けだしてゼラチンに変わるのですが、ゼラチンは冷えると固まる性質を持っています。煮汁(水分)が固まるのではなく、ゼラチン分子が集まって紐のような構造を作りだし、煮汁の中でその紐が縦横無尽に、網の目のようにつながることで、水分が動けなくなってしまうのです。
ゼリーやプリンも、ゼラチン分子が水分を閉じ込めている状態です。同じような働きは、ジャムに使われるペクチンなどにも見られます。

分子が固まるのは冷やした場合だけではありません。例えば卵は、卵焼きやゆで卵、プリン(蒸し焼きタイプ)などにすると固まります。卵の主成分もタンパク質ですが、熱を加えるとそれまで安定していたタンパク質分子が不安定になります。しかし、形を整えようとする力のようなものが残っているために、近くの分子同士が引き合い、つながってしまうのです。これを「分子集合」と言います。いったんバラバラになったものが他人同士くっつくので、冷えても元の液状には戻りません。それに対し、水分が閉じ込められているだけの煮凝りは、温めると液体に戻ってしまいます。分子には、それぞれの都合で集まりだす特性があるのです。

プリンが固まる仕組みの要因は、卵に含まれるタンパク質のようです。

タンパク質といえば牛乳にも含まれていますが、牛乳のタンパク質の70~80%を占めるカゼインは、熱凝固しにくいタンパク質のようです。
しかし、牛乳のタンパク質もプリンが固まる要因としてゼロではないと思います。

卵のタンパク質の熱凝固を完璧にコントロール出来れば、プリンの固さも思いのままのように感じますが、実際にはもっと多くの要因が絡んでくるでしょう。

例えば、砂糖の特性として、タンパク質の熱凝固性の改善というものがあり、砂糖を加える事によってタンパク質が熱凝固しにくくなるという事を、このブログの以前の記事で学びました。

・タンパク質の熱凝固性の改善

加熱による変性は吸熱反応で、タンパク質の凝固(ゲル化)の原因となり、この現象を熱凝固性と呼ぶ。タンパク質の熱凝固性に関しては、砂糖などを添加すると、凝固温度や凝固状態に影響を与える。
卵白の凝固温度は、卵白を構成するタンパク質により異なる。通常、卵白自体は55℃くらいから変性が始まり、67℃で凝固が完了する。そして、卵タンパク質の濃度が減少するほど凝固しにくくなり、凝固温度も高くなる。また、卵液に砂糖を加えると、卵タンパク質の凝固温度が上昇する。砂糖の添加量を増やすと、さらに凝固温度が上昇して、軟らかいゲル状になる。
卵液の凝固温度と加熱時間、および砂糖の濃度の関係について見ると、卵白は、砂糖の濃度を0%、20%、40%と増やすと、凝固温度が約3℃ずつ上昇し、凝固の開始時間もそれに応じて長くなる。このことは、砂糖が加熱中のタンパク質の分子がほぐれるのを抑制し、卵アルブミン(タンパク質)の変性を抑えるためと考えられている。そして、砂糖が卵の凝固温度を高めることは、泡雪かんの製造時に、卵白を泡立てて砂糖を加えておくと熱い寒天液を加えても変性を起こさないことによっても実証されている。また、砂糖の濃度が高くなるほど、卵白ゲルが軟らかくなる。



他にも、例えばPastel(パステル)さんの「なめらかプリン」をはじめとするなめらかなプリンは、材料の牛乳に加え生クリーム、卵は卵黄を加える事によってそのなめらかさを出していると聞きます。
考えられる要因として、生クリームと卵黄の脂肪分がなめらかさを生み出している事と思われます。
しかし、生クリームは牛乳よりも水分量が少ないので、プリンの固さを生み出す要因としても考えられます。


このように、様々な要因がプリンの固さに影響を及ぼす事が考えられ、まだ捉え切れていない要点もある事と思います。


ここまで、プリンが固まる仕組みについて学んできました。

さらに、プリンを科学的な目線で迫れそうな要点として、プリンを作る上で最も失敗の原因である、そもそもプリンが固まらないという事があります。
また、プリンが固まらない事を恐れ火を入れ過ぎるとす(気泡)が入ってしまい、これも多くの失敗の原因のひとつだと思います。

次は、これらの事に理論的に迫ってみようと思います。


プリンにす(気泡)が入る理由とは?

プリンにす(気泡)が入ってしまうと、ボソボソとした食感になってしまい見た目にも良くありません。
そもそも何故すが入ってしまうのでしょうか。
これを丁寧に分かりやすく説明して下さっているサイトの記事を見つけましたので、こちらを参考にし学んでいきます。

プリンに「す(気泡)」が入る理由。

プリンには、す(気泡)が入ることがあります。
手作りプリンの失敗は、大きく2通りです。
それが「固まらないこと」と「気泡が入ってしまうこと」であり、多くの場合は後者の「す(気泡)」に悩まされるはずです。
す(気泡)の入ったプリンは美味しくありません。
しかし、気泡にも2通りの原因があります。
基本的に、全体がボソボソとした食感になるようであれば「温度が高すぎる」ことが原因となっており、ポツポツと小さな気泡が入る場合には「溶存気体」が原因になっています。

また、気泡にも程度による差異があります。
細かな気泡:溶存気体による気泡
全体的な気泡:過剰な加熱による気泡(または分離)

この違いは、気泡のできる仕組みの違いに起因しています。
細かな気泡は「溶存気体によってできる気泡」であり食感(テクスチャー)には大きな影響を与えませんが、全体的にできる気泡は「プリン液の沸騰によってできる気泡」ですのでボソボソの食感になってしまいます。
どちらも「す(気泡)」と表現されますが、後者の場合は最悪です。

液体には、気体が溶け込んでいます。
液体に溶け込んでいる気体のことは「溶存気体」と呼ばれ、溶存気体が多い場合には加熱されることで気体に戻り気泡となります。
事実、脱気されたプリン液では気泡はできません。
しかし、家庭内の調理器具で「プリン液の脱気」をすることはできませんので、可能な限り泡立てないようにしてプリン液を作っていくことになります。
まずは、「泡立てないように混ぜる」ことがポイントになります。

プリン液をつくる際、牛乳を温めます。
これは溶存気体を抜くことが目的となっており、(必ずしも必要な工程ではありませんが)温めることで細かな気泡ができにくくなります。
溶存気体は、温度によって溶解度が変わります。
60℃前後まで温めれば十分に目的を果たせます。

温度が高すぎると、全体がボソボソとした食感になります。
プリンには、タンパク質の熱変性が利用されています。
卵白には「60~80℃で熱変性する」、卵黄には「65~75℃で熱変性する」という特徴がありますので、プリンは80℃まで加熱すれば固まることになります。
このことからも、90℃ほどで加熱することにより15~30分ほどの時間をかけて80℃まで温度を上げていくことが理想だと考えられています。
問題は、95℃を超えることです。
プリン液の温度が95℃以上に上がってしまいますと、沸騰に起因する溶存気体以外の気泡ができてしまいますので全体がボソボソになってしまいます。

プリンにす(気泡)が入る理由は温度のようです。

卵のタンパク質の熱変性について、このブログの以前の記事で低温調理について学んだ際に参考にした本「Cooking for Geeks 第2版 ―料理の科学と実践レシピ」に詳しく説明されていました。

鶏卵の中で最も熱に敏感なタンパク質はオボトランスフェリンで、61℃程度で容易に変性し始める。(アヒルなど別の種が産む卵は、タンパク質の形態や比率が異なる。これ以降は、鶏卵に的を絞って説明する。)オボアルブミンという別のタンパク質は卵白タンパク質の54%を占め、より高い温度(80℃程度)で変性する。その他の卵白タンパク質はこれらの間の温度で変性し、オボトランスフェリンとオボアルブミンの間の19℃という温度範囲でさまざまに食感を変化させる(水のような状態から、バター状、そして固くてもろい状態まで)。
卵黄のタンパク質は卵白よりも狭い温度範囲で凝固する。とろとろの卵黄が固まり始めるのは65℃から70℃だが、長い保持時間ではもっと低い温度で固まるものもある。(反応速度の傾きの違いを利用して、卵白よりも卵黄の方が硬くなるように調理することは可能だ。)


プリンにす(気泡)が入る理由が温度という事ならば、温度を管理して火を入れる事に優れている「スチームコンベクションオーブン」のようなもので火を入れる事が理想的です。

しかし、家庭では現実的ではない為、オーブンで蒸し焼きにするか、蒸し器で弱火で蒸すという方法がとられています。


これまで、固めプリンを作る為の科学的な理論というものに色々迫ってみましたが、なかなか机上の理論だけでは、理想的な固めプリンのレシピは導けそうにもないので、実際に作ってみて、そこから色々試行錯誤し、自分なりの固めプリンのレシピを作り上げていこうと思います。


固めプリンの作り方(考察編)

プリンの基本的な材料は、卵、牛乳、砂糖です。
固めプリンを作ろうと思えば、卵を増やしてプリンが固まる要因であるタンパク質の量を増やす事か、牛乳を減らして水分量を減らす事が考えられます。
ネットでプリンのレシピを調べてみると、本当に沢山の様々なレシピが出回っています。
そんな中に「プリンの黄金比率」という言葉を目にしました。
この「プリンの黄金比率」というのは重量比率で「牛乳2:卵1:砂糖0.5」なのだそうです。


卵料理の基本比率

卵と液体の割合というと、出汁巻き玉子や玉子豆腐や茶碗蒸し等、卵料理の卵と出汁の割合を思い出します。
沢山の和食を丁寧なレシピで紹介されているサイト「白ごはん.com」で、これらの料理のレシピを見てみると、

だし巻き玉子
卵(Mサイズ)…4個、だし汁…大さじ4〜7、薄口醤油…小さじ2〜2と1/2、砂糖…大さじ1/2、みりん…大さじ1/2

玉子豆腐
卵…4個、だし汁…300ml、薄口醤油…小さじ2、塩…ひとつまみ強

茶碗蒸し
卵…2個、だし汁…300ml、薄口醤油…小さじ2、塩…小さじ1/5

とあります。

これらを重量比率に置き換えてみます。

ちなみに卵の重さにはある程度の目安があります。

卵料理の基本比率

出汁巻き玉子
卵1:出汁0.3(0.3~0.5又は1)

玉子豆腐
卵1:出汁1.5(1~2)

茶碗蒸し
卵1:出汁3(3~4)

こうして、卵料理の卵と出汁の基本比率と、プリンの黄金比率を比べてみると、玉子豆腐と茶碗蒸しの間にプリンの黄金比率があります。
料理の固さとして、玉子豆腐はお皿に盛り付けて自立して、まさに見た目は固めプリンですので、プリンの卵と牛乳の比率も、玉子豆腐の比率を目安にしてもいいかもしれません。

とりあえず、いわゆる巷で言われている「プリンの黄金比率」で実際にプリンを作ってみてみようと思います。


プリンの比率の考察

では、まず、巷で言われている「プリンの黄金比率」である「牛乳2:卵1:砂糖0.5」で実際にプリンを作ってみます。

今回用意した材料は、私の地元である愛知県岡崎市産の卵「ランニングエッグ」と、牛乳、沖縄県奄美諸島産の「素焚糖」、マダガスカル産のバニラビーンズです。

プリン、材料

そして、「プリンの黄金比率」である「牛乳2:卵1:砂糖0.5」で作ったプリンがこちらです。

プリン、2:1

「牛乳2:卵1:砂糖0.5」のプリンの感想

確かに美味しいプリンが出来上がりました。
しかし、自分には少し甘味が強いように感じました。
そして、さっぱりした味わいで良いのですが、やはりコクというものが少し足らないようにも思いました。
固さで言うと、固過ぎず、なめらか過ぎず、お皿に出して自立出来る程の固さも備えているように思いました。
しかし、固めプリンと言うからには、もう少し固くても良いのかなとも思いました。

巷で言われている「プリンの黄金比率」である「牛乳2:卵1:砂糖0.5」で、確かに美味しいプリンが出来上がります。
しかし、私自身の理想の味わいとしては、甘さを控えめにし、コクを加えたいです。
甘さは砂糖の割合を少なくすれば解決出来ます。
コクは、ネットでプリンのレシピを調べてみると、生クリームや卵黄を使うと濃厚な味わいのプリンに仕上がるというレシピを見かけるので、そのように解決してみようと思います。
固さで言うと、もう少し固くしたいので、牛乳の量を減らしてみようと思います。


という事で、次に作るのは、材料の比率を「牛乳1.5:卵1:砂糖0.25」にし、
その内の牛乳に生クリームを加え、「牛乳1=牛乳3:生クリーム1」、
卵は全卵と卵黄を使い、「卵1=全卵1:卵黄1」、
で作ってみます。

そのプリンがこちらです。

プリン、1.5:1

牛乳1.5(牛乳1=牛乳3:生クリーム1):卵1(卵1=全卵1:卵黄1):砂糖0.25」のプリンの感想

先程のプリンよりも濃厚なプリンが出来上がりました。
生クリームと卵黄によるコクが、先程と比べるとその違いが明らかに感じます。
固さも先程よりも固さがあり、それでいてなめらかさやつるんといった食感も残した丁度良い固さだと思います。


ある程度固めプリンとして名乗れて、そして美味しいプリンの比率が見えたように思います。


練乳を使ったプリン

しかし、私はもうひとつ試してみたいプリンの作り方がありました。
それは、ネットで固めプリンについて調べていた時に見つけたサイト記事に書かれていた「エバミルク」というものを使ったプリンです。

エバミルクとは無糖練乳の事で、無糖練乳とはWikipediaでは、

https://ja.wikipedia.org/wiki/無糖練乳

無糖練乳(むとうれんにゅう、英語: evaporated milk)とは、牛乳を濃縮した乳製品であり、粘状の液体。英語のエヴァポレイテッド・ミルクを略してエバミルクとも呼ばれる。本来の表記は加熱精製したという意味の「煉乳」であるが、現在は常用漢字による表記の関係上、新聞等では「練乳」、法令では「れん乳」と書かれる。なお単に「練乳」といった場合は、加糖練乳を指す場合が多い。

とあります。

練乳を使ったプリンのようなデザートは世界中あるようです。
ブラジルの「プジン(pudim)」、フィリピンの「レチェ・フラン(Leche flan)」等が挙げられます。

このエバミルクというものを使ってプリンを作ってみたいと思いましたので入手してみました。

エバミルク

薄っすら褐色付いています。
これは、牛乳を煮詰める時に、牛乳に含まれるタンパク質と、乳糖やショ糖などの糖類が反応(メイラード反応もしくはアミノカルボニル反応といいます)を起こして褐色化したものでしょう。

このエバミルクを使ってプリンを作ってみます。
材料の比率は、先程導き出した自分なりの美味しいプリンの比率「牛乳1.5:卵1:砂糖0.25」にし、
その内の牛乳は、「牛乳1=エバミルク3:生クリーム1」、
卵は、「卵1=全卵1:卵黄1」、
で作ってみます。

そのプリンがこちらです。

プリン、エバミルク

牛乳1.5(牛乳1=エバミルク3:生クリーム1):卵1(卵1=全卵1:卵黄1):砂糖0.25」のプリンの感想

固さはしっかりとした固さを感じ、固めプリンとして名乗るのに申し分ない固さだと思います。
しかし、味わいはと言うと、濃厚さはもちろんあるのですが、何かエバミルクの独特なクセというか、臭みのような嫌な感じを少し感じてしまいました。

エバミルクは、そのまま飲んでみると、ゴクゴク飲めるようなものではなく、少しクセを感じてしまうものでした。
エバミルク、無糖練乳は自分でも作れるようなので、それを使えばまた違った味わいになるかもしれません。


という事で、牛乳を煮詰め、その牛乳を使ってプリンを作ってみます。
エバミルク、無糖練乳を作る場合は、牛乳を2/5まで煮詰めるようですが、
とりあえず、1/2まで煮詰めた牛乳でプリンを作ってみます。

材料の比率は、先程導き出した自分なりの美味しいプリンの比率「牛乳1.5:卵1:砂糖0.25」にし、
この内の牛乳は、「1/2に煮詰めた牛乳3:生クリーム1」、
卵は、「卵1=全卵1:卵黄1」
で作ってみます。

まず、牛乳を鍋に入れ、混ぜながら中火に掛け、重量で1/2になるまで煮詰めていきます。

牛乳

1/2まで煮詰まった牛乳がこちらです。

煮詰めた牛乳

この煮詰めた牛乳を使ってプリンを作ります。
この煮詰めた牛乳は、先程使った市販のエバミルクのように嫌な感じの独特のクセは無く、美味しいプリンができそうです。

牛乳1.5(牛乳1=1/2に煮詰めた牛乳3:生クリーム1):卵1(卵1=全卵1:卵黄1):砂糖0.25」のプリンの感想

固さはがっちりとした固さを感じ、この煮詰めた牛乳を使ったプリンを食べてみると、牛乳を煮詰めないで作ったプリンは、滑らかさも備えた固めプリンという印象に変わり、それはそれで美味しいのですが、固めプリンと名乗る以上、なめらかプリンの対極をいくという事で、このがっちりむっちりとした固さは良いと思います。
味わいは、濃厚でコクがあり、もちろん嫌なクセも無く、そしてどっしりと食べ応えのあるプリンに仕上がりました。
砂糖0.25という比率で甘味は控えめでこれでもいいですが、砂糖0.3くらいにしてもいいように感じました。


自分なりの固めプリンのレシピが見えてきました。

これまで、自分なりの理想的な固めプリンのレシピを作り上げようと、いろいろ考察してきて、まだまだ突き詰められそうですが、これではプリンの沼に嵌ってしまいそうです。
ですので、一応固めプリンのおおよその作り方は出来上がったと思うので、ここで一度区切りを付け、実際に固めプリンの作り方を纏めていきたいと思います。


固めプリンの作り方(実践編)

今回用意した材料は、私の地元である愛知県岡崎市産の卵「ランニングエッグ」と、牛乳、生クリーム、沖縄県奄美諸島産の「素焚糖」、マダガスカル産のバニラビーンズです。

分量の割合は、「牛乳1.5(牛乳1=1/2に煮詰めた牛乳3:生クリーム1):卵1(卵1=全卵1:卵黄1):砂糖0.3」です。

プリン、材料、2

まずは、カラメルソースを作っていきます。



カラメルソースを作る

カラメルソースの材料は砂糖と水だけなのですが、火加減によって仕上がりが変わってくる為、再現するのが難しいソースです。
女子栄養短期大学の大井 裕子さんらがカラメルソースについて調べ上げた論文「加熱速度や加熱温度がカラメルソースの色・味に及ぼす影響」がとても参考になります。

しかし、いちいち温度を測っている時間も無い程に変化の激しいソースですので、自分で何度か作ってその火加減を見極めていく方が良いようです。

カラメルソースの材料は、砂糖と軟水のミネラルウォーターです。
分量は、砂糖1:ミネラルウォーター0.5:ミネラルウォーター1です。
ミネラルウォーターは砂糖の1/2量のものと、同量のものを分けて用意します。

鍋に砂糖と砂糖の1/2量のミネラルウォーターを入れ、しっかり溶かし、混ぜながら中火に掛けます。

カラメルソース、1

砂糖が溶け、水分が蒸発し、粘度が出てきますと、焦げた匂いと煙が出てきます。

カラメルソース、2

ここで、味と色の調整をします。

苦味がいらなければ、焦げた匂いと煙が出てきたら、すぐに砂糖と同量のミネラルウォーターを少しづつ加えます。
苦味が欲しければ、焦げた匂いと煙をある程度出しながら苦味を与え、好みの具合になれば砂糖と同量のミネラルウォーターを少しづつ加えます。

ここでミネラルウォーターを一度に入れてしまうと、砂糖が冷えて飴状に固まってしまうので、少しづつミネラルウォーターを加え、飴状に固まってしまう砂糖を溶かしていきます。

カラメルソース、3

砂糖と同量のミネラルウォーターを入れ終えたら、ここからは使う用途に合わせた濃度まで煮詰めて完成です。

プリンに使うカラメルソースは、蒸す前にプリン液と混ざらないようにある程度の濃度を付けて仕上げます。

カラメルソース、4

出来上がったカラメルソースは型に流しておきます。

私は玉子豆腐等に使う流し缶を使いました。

プリン、8



プリン生地を合わせる

全卵と卵黄をボウルに割り、砂糖も入れしっかりと混ぜ合わせます。

砂糖が摩擦材の効果を出して混ぜ易くなります。

プリン、1

1/2に煮詰めた牛乳、生クリームを鍋に入れます。
バニラビーンズは、適量を縦に切り、種を取り出し、その種と鞘も鍋に入れます。

プリン、2

鍋を火に掛け、60℃前後迄温めます。

バニラの香りを出す事と、
生クリームの溶存気体を抜く事を目的としています。

プリン、3

温めた牛乳と生クリームを、卵と混ぜ合わせます。

プリン、4

混ぜ合わせたプリン生地を漉します。

この時にバニラビーンズの鞘を取り除きます。

プリン、6



プリン生地を加熱する

出来上がったプリン生地を火に掛け、ある程度温めていきます。

蒸す工程に入る前にある程度温める事で、火入れ具合のムラを無くします。

プリン、7

温めたプリン生地を静かに型に流します。

プリン、9

表面に出来ている気泡は、ガスバーナーで取り除きます。

プリン、10
プリン、11

次に蒸し器で30分程蒸します。

蒸し器は強火でガンガンに湯気を上げておき、そこにプリン生地を流した型を入れ、アルミホイル等を被せ、弱火で30分程蒸します。

プリン、12
プリン、13

30分程蒸し、竹串等を刺してプリン生地が流れ出てこなければ蒸し上がりです。

プリン、14

蒸し上がったプリンは、表面の水分を取り除き、冷蔵庫で12時間程冷やし固めます。



仕上げ

冷やし固めたプリンは型から取り外し、器に盛り付けて完成です。

プリン
河野裕輔
河野裕輔

美味しそぉ~!

さらに、私の両親は昔、喫茶店を営んでおりましたので、その頃の記憶を思い起こし、懐かしのメニュー「プリンアラモード」も作ってみました。

林檎とオレンジとバナナの飾り切りは両親に教えてもらいました。
久しぶりと言いながらも手が切り方を覚えているようでした。

プリンアラモード
河野裕輔
河野裕輔

懐かしいぃ~!


 

実食

河野裕輔
河野裕輔

いただきます!

見た目として、固めプリンとしての呼べる程のビジュアルは備えているように思います。
角はエッジが効いていながらも、断面の滑らかさが見られ、このプリンの食感はどういうものなのだろうかと、期待に胸が膨らみます。

カラメルソースの香ばしい香りと、バニラの艶めかしい誘惑的な甘い香りは、口に入れる前に、既に想像で甘味が口の中に広がるようです。

スプーンでプリンをすくおうとすると、プリンにスプーンが入るまでに抵抗があり、むっちり感を感じ、スプーンが入るとその弾力は、ぶりんとした感触を手に伝え、このプリンの力強さを感じる事が出来ます。
そのぶりんとした物体を口に入れますと、舌と上顎でその弾力を確かに感じ、その食べ応え、味わいのコクといったものから、どっしりとした重厚感を感じながらも、ふと潰してしまえば、その食感はやはりプリンと言う事で滑らかさとつるんとした喉越しで胃の中に吸い込まれてしまいます。

まずはカラメルソースのほのかな苦味を一瞬感じさせ、そしてすぐさまプリンの甘味、コクが口の中いっぱいに広がり、まさに至福の時を過ごす事になります。
やはりデザート、スイーツの甘味といったコクというのは麻薬的な誘惑性を兼ね備えていると納得せざるを得ません。

固めプリンとしてはある程度納得のいく所迄辿り着けたのかなと思います。

河野裕輔
河野裕輔

ごちそうさまでした。



まとめ

今回は今流行の固めプリンを、私もこの流行に乗り遅れない為にもと思いプリンと向き合い、自分なりの固めプリンの作り方に迫りました。

プリンの作り方に迫ってみて思ったのは、基本的な材料が卵、牛乳、砂糖と至ってシンプルなものなので、それ故に応用に対する許容範囲が広く、その割合や何を加えるか等、幾千もの組み合わせがあるので、理想的なプリンに辿り着く為には、このプリン沼にどっぷり嵌る覚悟がないと、とてもじゃないが迫り切れないと思いました。
まず、自分が想い付く組み合わせなんていうものの数はたかが知れている訳で、この組み合わせ、レパートリーを広げる為にも、プリンの食べ歩きから始めなければならないと思い知らされました。

シンプルな料理というものは、それだけ簡単という事ではなく、応用が利くぶん、逆にとても奥深くなるもののようです。
応用が利くという事は、それだけ応用が利かせられるようにしなければなりません。
応用が利かせられるという事は、それだけ情報や知識を備えなければなりません。

今回で、おおよその固めプリンの作り方は示せたとは思いますが、今後プリンの食べ歩きをし、情報や知識を備え、より理想的な固めプリンの作り方を示せれたらと思います。

河野裕輔
河野裕輔

備えます!

第31回 かわののブログ

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